「素敵すぎる」「素晴らしい」――。そんな声が相次いだのは、靖国神社(東京都千代田区)で行われた桜の開花宣言だった。東京管区気象台の職員が手話を交えながら発表する様子がSNSで話題になり、称賛する声が上がっている。
今回の担当者である地上気象観測班長・小林與朗さんは2023年3月17日、東京管区気象台業務課を通じて「ひとりでも多くの方に」と、J-CASTニュースの取材に思いを明かした。
「手話をやってみたいと思う方が増えればうれしいです」
気象庁は3月14日、東京で桜(ソメイヨシノ)の開花を観測したと発表。1991~2020年の観測値を平均した平年値よりも10日早く、2022年よりも6日早い開花になった。
靖国神社で行われた開花宣言で、小林さんは「きょう3月14日、東京の桜の開花を発表します」と手話を交えて発表した。この様子がテレビなどで報じられると、ツイッターで話題になり、「素敵すぎる」「素晴らしい」などと称賛する声が相次いだ。
小林さんは17日、「手話は、個人的に勉強したことがあるので、この機会に手話を交えてお伝えしました」と取材に回答。東京での開花宣言は、報道による取材やテレビカメラが入るため、「拙い手話ですが、ひとりでも多くの方にと思い、昨年から担当となったさくらの開花発表の際に手話を交えてお伝えしています」とした。
30年ほど前に手話に興味をもって市民講座を受講した小林さん。当時は仕事の都合で数回しか参加できなかったという。
「それから手話を使う機会はあまりありませんでしたが、最近は手話のYouTubeを見ることが多いです。おぼえることが苦手なので同じ動画(コンテンツ)を繰り返し見ておぼえています」
今回大きな反響があったことについて、小林さんは2022年の開花宣言でも手話を交えて発表していたため「今年の開花発表で多くの反響があることがとても不思議な感じです」と述べる。
「あんなに下手な手話でも思いや何かが伝わることがわかって、手話をやってみたいと思う方が増えればうれしいです」
2024年の開花宣言の担当は決まっていないものの、小林さんは「自分が担当することになりましたら、手話も交えてお伝えできたらと思います」としている。