侍ジャパンが9-3と快勝したWBC準々決勝のイタリア戦。負けられない試合で、打順の組み替えが功を奏した。
イタリア戦は4・5・6番が大暴れ
1次ラウンドでは村上宗隆(ヤクルト)が全4試合で4番に座ったが、14打数2安打で打率.143と打撃不振に苦しんでいた。甘い球を見逃し、難しい球に手を出す。打席の中で迷いが生じていたことを、栗山英樹監督が感じ取ったのだろう。
イタリア戦は「5番・三塁」でスタメン出場。「4番・左翼」で吉田正尚(レッドソックス)が入った。この打順が機能する。村上は5回に今大会自身初の長打となる中越え適時二塁打。無死一、二塁からビニー・ニットリーの初球に投じた148キロ直球をきっちりはじき返した。7回にも左翼のグラブをはじく二塁打。お祭り騒ぎの一塁ベンチに向け、塁上で「ペッパーミルパフォーマンス」をする表情は、自信を取り戻していた。
4番に入った吉田も卓越したミート能力とパワーを発揮する。3回1死一、三塁から同点に追いつく遊ゴロで最低限の働きをすると、7回にジョーイ・マルシアーノのスライダーを完璧に捉え、右翼席中段に運ぶ今大会初アーチ。6番の岡本和真(巨人)も3回に左中間3ランを放つなど5打点の活躍と、中軸の3人で計8打点を叩き出した。