厚生労働省が食品の安全対策を呼び掛けるツイッターアカウント「厚生労働省食品安全情報」に、突如として猫が登場し大きな注目を集めている。寄生虫「アニサキス」に関して注意喚起するもので、サンマを模したぬいぐるみと猫がじゃれあう写真が掲載されていた。
J-CASTニュースの取材に対し、厚労省の担当者は2023年3月17日、自身の飼い猫であると説明した。
「猫パンチや猫キックではアニサキスは倒せません」
「厚生労働省食品安全情報」が16日に投稿したツイートが、2万2000件を超えるリツイート、3万7000件を超える「いいね」が寄せられる大きな反響を呼んだ。「酢や塩での調理でアニサキスは死滅しません!」などとアニサキスの対策を説明する投稿だ。
「アニサキスは魚介類の寄生虫です。食酢、塩漬け、醤油、わさびでは死滅しないので、刺身やしめ鯖などの調理の際も目視確認が重要です。さらに、冷凍・加熱が有効です」
ツイッターユーザーの注目を集めたのは、添付された画像だった。「鮮度を徹底」「目視で確認」「冷凍/加熱が有効」と、対策を記した文面の下にそれぞれ猫の写真が掲載されている。猫はサンマのぬいぐるみを抱えていたり、遠目にじっと見つめたりしている。
猫がサンマのぬいぐるみとじゃれあうような写真には「猫パンチや猫キックではアニサキスは倒せません」とユーモアを交えた説明書きがあった。
このツイートは「素晴らしい遊び心ですね!」「ねこちゃんかわいすぎて内容しっかりチェックしました」などと好評だ。
「たまたま職員の飼っていた猫を採用しました」
取材に対し、医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全企画課の担当者は、猫の写真を採用した背景について次のように説明する。
食品安全情報のツイッターアカウントは食中毒の注意喚起など、中には人命に関わる重要な情報も含まれる。多くの人に知ってもらいたいという思いを抱えながらも、ツイートのインプレッションは伸び悩んでいた。
「一般の方々の関心を引くような投稿をしてみてはどうかというアイデアが上がりました。動物の投稿は関心を引くことが多いという印象があり、たまたま職員の飼っていた猫を採用しました」
取材に応じた担当者は、自身の飼い猫であると明かした。猫の名前は「こと」ちゃん。ノルウェージャン・フォレスト・キャットという長毛種で、メスだという。サンマのぬいぐるみは、投稿のために購入したものではなく、以前から愛用しているものだそうだ。
ことちゃんの写真を採用したツイートが大きな注目を集めたことについては、次のように受け止めた。
「コメントを見ていると『アニサキス対策について勉強になった』『よくわかった』という声があったので、大変うれしく思っています。対策を伝えたいという思いから生まれた投稿でしたので、周知ができて良かったと振り返っています」
担当者は、「アニサキスに限らず、食中毒関係の情報を発信してまいりますので、ぜひこのツイッターアカウントをフォローしていただけますと嬉しいです」と話した。
【酢や塩での調理でアニサキスは死滅しません!】#アニサキス は魚介類の寄生虫です。食酢、塩漬け、醤油、わさびでは死滅しないので、
— 厚生労働省食品安全情報 (@Shokuhin_ANZEN) March 16, 2023
刺身やしめ鯖などの調理の際も目視確認が重要です。
さらに、冷凍・加熱が有効です。#食中毒 pic.twitter.com/Zgw56P9TMM