ピーナッツバターにも、「あんこ」のような食感の違いがあるとSNSで話題になっている。例えばピーナッツバターブランドSKIPPY(スキッピー)では、こしあんのようなに滑らかなタイプ「クリーミー」と、つぶあんのようにナッツの触感を楽しむタイプ「スーパーチャンク」を展開している。
日本ではどちらが人気なのか。J-CASTニュースは2023年3月15日、スキッピーを展開するホーメルフーズジャパン(東京都渋谷区)に取材した。
「SKIPPYはこしあん派」
ツイッターで3月上旬、スキッピーのクリーミーをこしあん、スーパーチャンクをつぶあんに例えた投稿が大きな注目を集めた。
食感や塩みを楽しむならチャンク、なめらかさやナッツの甘みを味わうならクリーミーがいいといった声があがり、「歯ごたえのある青が好き」「SKIPPYはこしあん派。あんこもこしあん派」などと派閥が形成されつつある。
取材に対し、ホーメルフーズジャパンの日本支社長・行田ちづるさんは、2種の違いについて次のように解説する。
「実はスーパーチャンクとクリーミーのベースとなるピーナッツバターは共通で、味は一緒なんですよ。クリーミーにローストしたピーナッツを加えたものが、スーパーチャンクです」
アメリカでは「クリーミー」が人気、日本では?
スーパーチャンクとクリーミーではどちらが人気なのか。行田さんによれば、アメリカや諸外国ではクリーミーが人気だという。アメリカで主流の食べ方はパンに塗ることだそうだ。
「日本では、若干ですがチャンクタイプの方が好まれています。粒あんが好まれていることに関係しているのでしょうか?」
ナッツの食感が料理に生かしやすいことも、人気を後押ししているのではないかと推測する。
「パンに塗るだけでなく調味料として使われることも多いです。砕いたピーナッツの食感は、ゆでたお野菜に和えるのがおすすめです。ホウレンソウや小松菜など柔らかいお野菜と相性がいいですね。 逆にブロッコリーやインゲンのような歯ごたえのあるものには、クリーミーもおすすめです」
一方で、日本では「ピーナッツバター」に対する誤解が広まっているという。米国食品医薬品局(FDA)では原料の9割以上がピーナッツでできているものをピーナッツバターと定義しており、それ以下の商品はピーナッツクリームだ。
アメリカンピーナッツ協会が2022年10月、日本人を対象に実施したインターネット調査では、多くの人がピーナッツクリームをピーナッツバターと誤認していた。「違いを知っていた」と回答したのは18パーセントだったという。
「学校給食で定番の『ピーナッツクリーム』とは別物です。スキッピーの原材料は、ピーナッツと砂糖と塩、植物油の4種のみです。90パーセント以上がピーナッツでできています。自然な甘さですので、アメリカでは甘みを加えるためにジャムと混ぜるといった使い方もあります」
実は「中華料理」と相性がいい
行田さんは、原材料の種類が少ないために様々な料理と組み合わせやすいと話す。とくに中華料理とは相性が良いそうだ。
「インスタント麺にラー油とスキッピーを加えるとタンタンメン風になる『味変』も流行り始めています。 バンバンジー風の味付けも人気です。豆板醤や酢で辛みを付けたタレにピーナッツバターを加えると、コクが引き立ちます」
行田さん自身もスキッピーの大ファンだと言い、「夕飯に一品足りないときに愛用しています」と話す。
「原材料が4つだけで、添加物が入っていないのも魅力ですね。さらにピーナッツは豊富なたんぱく質や食物繊維、ビタミンを含んでおり、その栄養価も注目されています。 糖尿病や心臓病への予防効果があるという研究もありますので、高齢者の方にもお勧めしたいです。私にも高齢の母がいますが、年を取るとタンパク源であるお肉などが食べづらくなってしまいますよね。毎日スプーン1杯のピーナッツバターを勧めています」
今回、ツイッターで大好きな商品が話題になったことをとても嬉しく思っているそうで、あんこに例えられたことについては「何度拝見しても面白く、素晴らしい表現だと思いました」と話した。
(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)