福岡発祥の人気とんこつラーメン店「一蘭」の店舗で、商品棚を蹴り上げて倒す様子などを撮った動画がツイッターで取り上げられ、拡散する騒ぎになっている。
動画は、TikTokに投稿されており、その後削除されている。一蘭は2023年3月15日、公式サイトにお知らせを出し、22年8月に発生してすでに一定の解決をみており、詳しい内容の公表は差し控えたいと発表した。
商品棚が倒され、持ち帰りラーメンなどが床に散乱
こうした迷惑行為は、回転寿司チェーンなどで相次いで報告され、警察に逮捕されるケースも出ている。しかし、迷惑動画を取り上げるツイッター告発者らが次々に発掘するため、騒ぎが止まらない状況だ。
16秒の長さがある今回の動画は、店舗の壁にかけられたいくつかの木札を写すシーンから始まる。客が店に提示できるとあり、そのうちの1つ「周囲の音・声が気になる」の木札が拡大して映し出された。画面には、「へー」などとコメントが出ていた。
続いて、場面が切り替わり、撮影者が店内の商品棚の方へ向かう様子が映される。棚には、「喜ばれるとよ」とPRした持ち帰りラーメン用とみられるポップが貼ってあった。撮影者は近づくと、「ダッ」と声を上げて、棚を蹴り飛ばす。棚は奥に飛ばされて倒れ、商品などが床に散乱すると、周囲から「ハハハ」と笑い声が起こった。画面では、「ライダーキック」と説明されていた。
また、画面が替わり、今度は、ラーメンを食べた後とみられるテーブルが映し出される。撮影者は、右手に先の木札を持っており、テーブル前のすだれを上げて、木札を投げ捨て、床に当たった音が響いた。画面のコメントには、「はよ来てください」「ボケ」と出ていた。
一蘭での今回の行為は、ツイッターで2023年3月10日ごろに取り上げられ、14日になってツイッター告発者やまとめサイトの紹介で動画が拡散している。元々はTikTokのアカウントに投稿され、そのアカウントから15日までに削除されていた。
この騒ぎを受けて、一蘭は15日昼過ぎ、公式サイトに「SNSで拡散された一蘭店舗での迷惑行為に関するお知らせ」を出した。
「今後も、警察への被害届の提出など厳正なる対処を行う」
このお知らせでは、動画投稿を受けて、同社の調査結果について説明した。
それによると、今回の行為は、2022年8月に関西地区の店舗で行われた。この件については、「既に一定の解決をしている案件」だとして、「詳しい内容につきましては公表を差し控えさせていただきます」と述べた。
とはいえ、「この度の動画は過去のものとはいえ、飲食店にご来店されるお客様へいたずらに不安を煽る不適切なものであると考えております」と明らかにした。
回転寿司チェーンなどで迷惑行為が多数報告されたことから、同社では2月8日、「店内での迷惑行為についての弊社の取り組み」を公式サイトで公表していた。「報道を目の当たりにする度、迷惑行為に対して毅然とした企業姿勢が求められていると痛感しております」として、「万が一、他のお客様のお食事環境を脅かすような迷惑行為が行われた際には、警察への相談を始めとした法的処置も視野に入れ毅然とした対処をしていく所存です」と告げていた。
今回の件についても、お知らせの中で「今後も、店舗運営を阻害する不適切行為や迷惑行為などが発生した場合は、顧問弁護士への相談や警察への被害届および防犯カメラ映像の提出、場合によっては損害賠償請求など、厳正なる対処をおこなってまいります」と説明した。
一蘭の広報部は3月15日、J-CASTニュースの取材に対し、今回倒されたのは、お持ち帰りラーメンなどを陳列している物販商品のディスプレイだと答えた。被害額や警察への被害届、加害者の謝罪などについては、「過去のことで対応が完了して解決していますため、お知らせ以上の詳しい話は差し控えさせて下さい」としている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)