ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンド・プールB第4戦が2023年3月13日、東京ドームで行われ韓国が中国を22-2の5回コールドで下した。試合に先立ち同組のオーストラリアがチェコ共和国に勝利したため、韓国は中国戦を待たずに1次ラウンド敗退が決まっていた。
「あまり痛くないお尻に遅いボールを投げる」
韓国は中国戦で3人の投手を起用し5回を4安打2失点に抑えた。大会前に大谷翔平投手(エンゼルス、28)への「故意死球」発言が物議を醸した高佑錫(コ・ウソク)投手(24)の登板はなく、高は大会を通じて1度もマウンドに上がることがなかった。
高は1月に地元メディアのインタビューの中で、大谷と対戦する場合「(大谷は)すごい打者で弱点がないので本当に投げるところがなければ、あまり痛くないお尻に遅いボールを投げる」と、「故意死球」とも取れる発言をして物議を醸した
大谷への発言がインターネットなどで話題に上がる中、高は3月6日に京セラドームで行われたオリックスとの強化試合に登板。7回途中からマウンドに上がり、回をまたいだ8回に首周りの筋肉の痛みを訴え緊急降板した。地元メディアによると、筋肉痛の診断を受けたというが今大会で登板の機会はなかった。
国内リーグのLGツインズに所属する高は、昨シーズン61試合に登場し防御率1.48、4勝2敗42セーブでキャリアハイを達成し、今大会は守護神候補として注目されていた。
「高が恋しくてたまらなかった」
地元スポーツメディア「MHNスポーツ」(WEB版)は、今大会は代表チームのリリーフ陣が迷走したため、150キロ以上の速球を投じ覇気のある高の不在がより大きく感じられたと伝えた。
記事では代表でチームメイトになった李政厚(イ・ジョンフ)外野手(24)とともに大リーグ進出の可能性が大きかっただけに「色々と残念な大会になった」と解説した。
「マイデイリー」(WEB版)は、高のいない代表チームのリリーフ陣は想像を絶するほど弱かったと指摘。初戦のオーストラリア戦では6回を終えて2点のリードがあったがこれを守り切れず終盤に6点を失い、日本戦は凄惨だったとし「高が恋しくてたまらなかった」と振り返った。
スポーツメディア「スポーツ朝鮮」(WEB版)は、代表チームにとっても高の離脱は痛かったと分析した。勝負所で相手の流れを切る投手が不足したため、投手陣が総崩れし3大会連続1次ラウンド敗退という惨めな結果に終わったとした。
韓国は1次ラウンドで4試合を行い合計26失点。日本戦では3回に3点を先制したものの、その裏に4点を失った。5回以降はリリーフ陣が崩れ9点を失い合計13失点の屈辱を味わった。大会を通じて投手陣の不安定さが目立った。