打倒・井上尚弥にフルトン自信満々...根拠ある? 識者見解「階級制スポーツは過去データが参考にならない」

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   プロボクシングの元世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、29)がWBC・WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(米国、28)に挑むタイトル戦が2023年5月7日、横浜アリーナで開催される。

  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
    井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)

「データだけを見ると井上選手が勝つという人は多い」

   同タイトル戦の記者会見が3月6日に行われ、フルトンはビデオメッセージで打倒・井上に絶対の自信を見せた。世界的ボクサーである「モンスター」に対して勝利を確信するフルトン。その自信はどこから湧いてくるのか。J-CASTニュース編集部は、TMKジムの金平桂一郎会長(57)に自信の根拠を分析してもらった。

   金平会長は「フルトンサイドからすれば自信の根拠となるのは体格差だと思います」とし、「1階級上のフェザー級に転向することを考えた選手ですからデータ以上に大きさがあるのでしょう。身長で4センチくらいの差であれば、大きな影響を与える数字ではない。ただ全体的に見た骨格の大きさをフルトン選手は言いたいのでしょう。階級制のボクシングでは微妙な骨格の違いが影響することを強調したいのだと思います」との見解を示した。

   そして「井上選手の実績とフルトン選手の実績をみると、明らかに井上選手の方が上。無敗でここまで圧倒的な強さで上がってきている井上選手。フルトン選手はここまで無敗だが苦戦している試合もありKO率もあまり高くない。データだけを見ると井上選手が勝つという人は多いと思いますが、過去のデータが参考にならないのが階級制スポーツの難しいところ。フルトン選手はそれを強く主張したいのでしょう。それは一定の説得力があると思います」と解説した。

   井上はライトフライ級(48.9キロ)でプロキャリアをスタートし、その後スーパーフライ級(52.1キロ)、バンタム級(53.5キロ)と階級を上げていった。一方のフルトンはスーパーバンタム級(55.3キロ)を主戦場としており、21年1月にWBO同級王座を獲得した。

   両者の体格を比較すると、井上は身長165センチ、リーチ171センチ。対するフルトンは身長169センチ、リーチ179センチ。フルトンが身長で4センチ、リーチで8センチ上回っている。

「最終的には井上選手が勝つと思いますが...」

   金平会長は「井上選手にとってバンタム級とスーパーバンタム級の差は結構大きいと思います。なぜかと言えば、井上選手のキャリアのスタートがライトフライ級だったからです。ライトフライ級からここまで体重を上げてきた井上選手と元々スーパーバンタム級のフルトン選手とは骨格が違う。対戦してみないと分かりませんが、体格が違うと何気ないパンチが効いてしまうこともある。最終的には井上選手が勝つと思いますが、バンタム級の時のような圧勝ができるかといえば、それは分かりません」と持論を展開した。

   金平会長は体格の優位性からくるフルトンの左ジャブに注目しているという。

「ジャブの差し合いでどうなるか。体格差に優位性があるのかどうかという点において最初のラウンドのジャブの差し合いが注目すべきポイントになる。井上選手はプロに入ってからジャブの差し合いで負けたことがない。ジャブが速くて正確。そして強い。ジャブで相当効かせることもありました。フルトン選手は自分のジャブは井上選手と比べてスピード、正確性も負けないと思っているでしょう。左ジャブがフルトン選手の自信の根拠になっていると思います」

   井上は3月8日にツイッターを更新し、「久々のチャレンジャーに燃えたぎっている。。自分の可能性に期待したい。。」とのコメントを投稿。スポーツ紙などの報道によると、6日からメキシコ人パートナーを相手にスパーリングを開始した。

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