「女性が軍中心の北朝鮮の体制を導くことができるかは疑問」
現時点で韓国政府は、ジュエさんが後継者だとの見方には慎重だ。統一相の権氏は2月27日にCBSラジオで放送された「キム・ヒョンジョンのニュースショー」で、ジュエさんについて
「後継者としてみるのは時期尚早」
「北朝鮮の体制は韓国よりもはるかに家父長的な男性中心の社会的側面がある。今から後継の構図を作っても、女性が軍中心の北朝鮮の体制を導くことができるかは疑問もある」
などと論評している。「金日成→金正日→金正恩→その子ども」の4代世襲を確実視する一方で、
「その4代世襲の当事者がキム・ジュエかどうかは、少し見守るのが正しい」
とするにとどめた。長男の病弱説については
「確認されていない」
とした。
国情院も、長男の存在を明らかにしている。韓国メディアによると、国情院の金奎顕(キム・ギュヒョン)院長が3月7日に国会報告した内容を、国会議員が報道陣に明らかにしている。
それによると、正恩氏の第1子が息子だという点について「具体的な物証はない」一方で、「諜報(ちょうほう)上、息子であるのは確実だということを外国情報機関の情報共有などを通じて確認している」と説明。長男の健康問題については「諜報で確認されたことがない」。3人目の子どもについては「出産の事実を確認しているが、性別は現在まで確認されていない」と説明した。
ジュエさんについては
「正規教育機関に通ったことがなく、平壌でホームスクーリングをしている」
と説明する一方で、ジュエさんの露出が増えている背景については、正恩氏が現時点では総じて健康だと考えられているとして
「後継者を早い段階で構想する必要がなく、(4代世襲を)印象づける目的が最も大きい」
とみている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)