金正恩氏の娘は、なぜ急に露出を増したのか 長男には「健康不安」説も

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   北朝鮮の金正恩総書記が、娘を連れて重要行事に出席する機会が増えている。最初に動静が報じられたのは2022年11月の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射で、直近は23年3月9日の「火星砲兵部隊」視察。娘の動静が国営メディアで報じられるのは、これが8回目だ。

   娘の露出が増えることで、正恩氏の後継者として注目する向きもある。ただ、現時点で韓国政府はこの見方に慎重だ。兄にあたる第1子もいるとみられるが、虚弱体質だという報道もある。後継者レースは混沌とした状況が続きそうだ。

  • 金正恩総書記は2月25日に平壌市内で行われた着工式に、娘とともに出席した。現時点で後継説には慎重な見方が多い(写真は労働新聞から)
    金正恩総書記は2月25日に平壌市内で行われた着工式に、娘とともに出席した。現時点で後継説には慎重な見方が多い(写真は労働新聞から)
  • 金正恩総書記は2月25日に平壌市内で行われた着工式に、娘とともに出席した。現時点で後継説には慎重な見方が多い(写真は労働新聞から)

正恩氏は9歳からスイスに留学、長男は推定10代で平壌在住?

   北朝鮮の国営メディアの書きぶりは「金正恩総書記が愛するお嬢様と共に着工式場に姿を現すと~」(2月26日)といった具合で、北朝鮮側が娘の名前は明らかにしているわけではない。ただ、韓国の情報機関にあたる国家情報院(国情院)は、「キム・ジュエ」さんだとみている。

   正恩氏には少なくとも3人子どもがおり、ジュエさんは第2子だとみられている。韓国の権寧世(クォン・ヨンセ)統一相は1月15日の国会答弁で、

「キム・ジュエの上に息子がいて、その(ジュエさんの)下には子どもいるが性別は確かではない」

と発言している。そうであれば、疑問点として浮上するのは「なぜ長男が出てこないのか」だ。

   仮説のひとつが「健康不安」説。朝鮮日報系のケーブルテレビ局「テレビ朝鮮」が2月23日、政府消息筋の話として、長男が平壌に住んでいると報道。

「金正恩の息子はキム・ジュエとは違って体格も小さく、虚弱体質であると伝えられた」

としている。テレビ朝鮮によると、正恩氏が9歳からスイスに留学したことを踏まえると、10代と推定される長男も海外にいると韓国当局はみていた。だが、平壌に住んでいるとの情報が出たことが健康不安説を補強することになっているようだ。情報当局は「(妻の)李雪主(リ・ソルジュ)が金委員長と結婚する前、他の男と結婚していたとみて関連内容を分析中」とも伝えている。

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