「アイドルだけどジャンルが全然違う」カミフレ&TEAM SHACHI 名古屋の2組はコラボで何を感じたか【インタビュー】

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   名古屋・栄を拠点にするSKE48の派生ユニット「カミングフレーバー」と、名古屋発のアイドルユニット「TEAM SHACHI」がコラボし、10人組ユニット「シャチフレ」が結成された。同じアイドルでも、「全然ジャンルが違う」と思われてきたグループによる異色のコラボだ。

   「シャチフレ」は、ファーストコラボシングル「I's PRIDE」を2023年3月1日に発売したばかり。タイトルの「I」には「私」や「アイドル」の意味を込め、アイドルとしてのプライドを歌い上げた。AIRIさん(21、カミングフレーバー)、HINANOさん(22、カミングフレーバー)、NAOさん(25、TEAM SHACHI)、YUZUKIさん(25、TEAM SHACHI)の4人に、コラボへの意気込みや、それぞれのグループの良さを語ってもらった。(聞き手:J-CASTニュース編集部 工藤博司)

  • 「カミングフレーバー」と「TEAM SHACHI」がコラボした「シャチフレ」。左からYUZUKIさん、HINANOさん、NAOさん、AIRIさん
    「カミングフレーバー」と「TEAM SHACHI」がコラボした「シャチフレ」。左からYUZUKIさん、HINANOさん、NAOさん、AIRIさん
  • 「カミングフレーバー」と「TEAM SHACHI」がコラボした「シャチフレ」。左からYUZUKIさん、HINANOさん、NAOさん、AIRIさん

「カミフレ」1年ぶり活動再開と「二重の喜び」

―― 普段はライバルともいえる両グループですが、コラボが決まったきっかけを教えてください。コラボを知ったとき、どう思いましたか。

NAO: 去年(22年)の夏頃に聞きました。まさか、コラボできるなんて思っていませんでした。一緒にお仕事させていただけるだけでも嬉しいと思っていた存在なので、本当に嬉しかったです。
YUZUKI: アーティストさんとコラボして曲を出したことは何回かありましたが、アイドル同士で、というのは初めてです。その分、同じフィールドに立っている近しい存在として一緒に何かを作ることができるのは、学ぶことが多くありそうだと思っていました。同じ名古屋で近い距離にいますが、なかなかそういう機会がなかったので、すごくワクワクしていました。

―― 「カミフレ」のお二人が知ったのは、もう少し時期が遅かったのですか。

HINANO: カミフレのうち、MIYOは22年夏、私は秋頃に知って「そんなに豪華なことやらせてもらえるんだ!」という気持ちでした。カミフレが活動するのも1年ぶりぐらいで、二重の喜びでした。残りの4人が知ったのは、もっと後です。
AIRI: 私が知ったのは、(両グループの)顔合わせのタイミングです。実は顔合わせの直前に現場でシャチさんに遭遇していて、「なんかシャチさんらしき人がいたんだけど?」「絶対違うよ!シャチさんいるわけないじゃん!」と、はしゃいでいました。(笑)

MVのプラネタリウムが撮影されたのは...?

「カミングフレーバー」の2人。左からHINANOさん、AIRIさん
「カミングフレーバー」の2人。左からHINANOさん、AIRIさん

―― 楽曲の印象はいかがですか。

NAO: みんなと一緒に聴いたのですが、世界観がぐっと作られているし、歌詞もとってもストレートで、すっと耳に入ってくるフレーズが強いメッセージになっていると最初に感じました。作詞したkazueiさんからは「同じフィールドで戦っているグループ二つが集まったからこそ歌ってほしい」という思いをうかがいました。メッセージを受け取って、帰宅してから改めて歌詞の意味を読み解いていましたね。

―― 「勇敢に 歌よ 響きわたれ!」といったあたり、非常にパワーを感じますね。

HINANO: シンプルに、初めて聴いた時に「この曲好きだな」と思いました。生きていると誰だって悩んだりへこんだりすることがありますが、「"キラワレタクナイ" ただそれだけで押し殺してた」といったストレートな歌詞を私たちが歌って、アイドルだからこそ普段は見せない、キラキラではない部分をあえて見せることで、ステージの裏でがむしゃらに頑張っているアイドルの姿を想像していただけると思います。そうすることで、改めて「何か頑張ろう」と思ったり、前向きに人生を歩んでくれたら、と思います。

―― SKE48の楽曲は秋元康氏が作詞することが多いです。今回はそうではありませんが、違いは感じましたか。

HINANO: 感じますね。ストレートに書かれているからこそ、ぐっと伝わるものがあります。秋元先生は恋愛の曲が多いイメージですが、今回は「リアル」を描いているので、すごく誰にでも刺さる曲だと思います。

―― 先ほどミュージックビデオ(MV)を拝見しました。プラネタリウムが印象的ですね。名古屋でいえば、名古屋市科学館(中区)が有名ですね。

NAO: だと思うじゃないですか!
一同: 違うんですよー。(笑)
NAO: ちょっと半田の方まで足を運ばせていただいて、お邪魔しました。

―― 「半田空の科学館」ですね。さて、MVの前半部分は、皆さんが集まって何か思い出を語り合うようなシーンがありましたね。

HINANO: 思い出は語ってないですね。(笑)
YUZUKI: 待ち合わせして一緒にプラネタリウムに...、という設定です。それぞれ(のグループの)3人~4人で分かれて撮影しました。それぞれで話してる内容は違うかもしれません。
AIRI: 私はKIMIEちゃんとENAちゃん3人のシーンでした。「お待たせー」「なんで遅れたのー」みたいな感じでやってました。
HINANO: 本当にしょうもない会話したよね。4対4の合コンの待ち合わせ、という設定もありました。ちょっと衣装がシャチさんと違って、「このベルトかわいいから貸してよ!」みたいなやり取りが盛り上がって、素で笑っているシーンも撮っていただけたと思います。

―― MVにはダンスシーンもありました。違うグループ同士でも、「振り入れ」(振り付け作業)は、スムーズにできるものですか。

HINANO: 「I's PRIDE」はシャチさんのダンスの先生に振り付けていただきました。最初に映像が送られてきて、「ある程度覚えてきてください」と言われたのですが、私たちは覚えてから行くことはあまりない(振り入れの現場で初めて振り付けを習う)ので、もしかしたらほとんど教えてもらえないんじゃないかな?と思って、みんなできるだけ完璧に覚えていきました。
NAO:だからかぁ。めっちゃ覚えるのはやっ!て思って...。
HINANO: ほぼ完璧に覚えていって、向こうで先生とちょっと違うところを直す、ぐらいでいけましたね。
YUZUKI: 私たちも「完璧に覚えていく」というよりは、(動画を事前に)見ていって教えてもらうことが多いので、もしかしたらカミフレさんは事前に覚えているのかも?となって、(シャチの)みんなも、めっちゃ覚えてから行きました。
HINANO: それがあったからこそ、当日ちょっとゆとりを持って振り入れができました。
AIRI: それこそ、振り入れして翌日がMV撮影で...。本当に時間がなくて、映像があってよかったです。

―― MVを撮るときに苦労したことや、ハプニングはありましたか?

一同: 寒かった...!
YUZUKI: みんな寝転んで固まっているシーンがあるんですけど、あれが割と序盤の撮影だったんですね。なんかめっちゃ寒くて、しかもすごい絶妙な体勢で固まってるんだよね。
AIRI: みんな固まって集中しなきゃいけないんですけど、この人(HINANOさん)はそのまま寝てたんですよ。
HINANO: そう、爆睡してたあ(笑)。 同じ姿勢でいなきゃいけないっていうのが、きつかったですね。
NAO: でもあれで結構、絆生まれたよね。
YUZUKI: 生まれた!「いいよこっち、肩のっけて」みたいな...。

TEAM SHACHIは「体育会系」「エアロビ」、カミフレは「ザ・アイドル」

「TEAM SHACHI」の2人。左からYUZUKIさん、NAOさん
「TEAM SHACHI」の2人。左からYUZUKIさん、NAOさん

―― お互いのグループに、どんな印象を持っていましたか。コラボしてみて、それがどう変化しましたか。

NAO: シャチは女性らしいというよりは、エアロビのような振り付けが結構多くて、ちょっと体育会系っぽいライブをするんですよ。なので、今回のシャチフレで着ているような衣装もすごく少ないです(編注:シャチフレの衣装は、SKE48の衣装チームが製作した)。だから、いつも(カミフレは)衣装もかわいいし、本当にキラキラしている「ザ・アイドル」みたいな感じで、アイドルとして同じところにいるけどジャンルが全然違う、というイメージでした。
YUZUKI: カミフレさんはかっこいい踊りをする、という印象です。私たちの「エアロビ感」とは全く違う、品のある、お花みたいなイメージがありましたね。
AIRI: (TEAM SHACHIは)元気!という感じでした。ライブも一体感があって「ウェーイ!」みたいなイメージです。先日シャチさんのライブに出させていただいたときは、推しメンが歌っているときにペンライトをガンガン振っているのを見て、スケールが大きいと思いました。普段は見ない光景なので羨ましかったですね。コラボと言うと、ちょっと「うーん」と思う人もいると思っていたのですが、(現場では)誰一人いなくて、温かく迎えてくれました。
HINANO: 確かに温かかったね。
YUZUKI: (コラボ楽曲を)初披露したのがシャチのライブだったのですが、カミフレさんのファンの方も多く来てくださってて、一緒に周りのファンの方の真似をして楽しんでくれました。前半はシャチだけの出演だったのですが、途中までカミフレさんのファンって気づかないぐらい、溶け込んでいましたね。

―― 両グループで作法、文化の違いのようなものはあるのですか。

HINANO: (TEAM SHACHIでは)絶対にスタッフさんにもキャッチフレーズを披露されますよね。私たちは「初めまして、カミングフレーバーです。よろしくお願いします!」だけなのですが、(TEAM SHACHIは)「挨拶させてください」と、(キャッチフレーズの『スーパー・タフ・ストロング・エナジー・ポジティブ・エキサイティング・ソウル・フロム・ナゴヤ!』と言いながら)自分たちの自己紹介しているのが素敵だと思いました。本当に空気感の作り方が上手いと思いました。

―― TEAM SHACHIの前身「チームしゃちほこ」は12年デビューで、カミフレは19年結成です。シャチの方がキャリアが長く、カミフレの側から見ると先輩ですね。

HINANO: リハーサルの進め方にしても、私たちはスタッフさんにお願いして、指示をいただいて動くことが多かったりしますが、シャチの皆さんは自分から「この音をこうしたい」とか、全部自分で決められるから、すごくかっこいいなと思います。自分たちで本当に1からライブを作っている感じがします。

―― 逆に、シャチからカミフレを見ると、フレッシュに映りますか。

NAO: 何が新鮮だったかなあ...。普通に衝撃というか「そっか!」と思ったのは、シャチは、みんな一斉にデビューしたので、先輩後輩もないのですが、カミフレちゃんは年齢ではなくて(SKE48に)入った順で先輩になる、というのがすごく新鮮でした。MVのときに話を聞いて、HINANOちゃんがすごい先輩だと思ってたけど...。
AIRI: (自分の方が)先輩です。(笑)
(編注:AIRIさんは18年1月、HINANOさんは18年12月にグループ加入)
HINANO: でも、タメ口だから(先輩、後輩の区別は)何もないですよ。私が「気にしない」という立場じゃないですけど。(笑)
AIRI: ケータリングの争奪戦もすごいんですよ...!
HINANO: 仲良く、のびのびとやらせていただいています。(笑)

―― コラボが発表された1月の配信では、すでに敬語なしでフランクに話していました。

NAO: 打ち解けるのは早かったですね!
HINANO: 多分、まだ5回も会ってないですね。意気投合は早かったですね。

「HC85系で飛騨高山にファンクラブ旅行」の現実味

「シャチフレ」の4人は「敬語なし」で打ち解けた様子
「シャチフレ」の4人は「敬語なし」で打ち解けた様子

―― 今回のコラボに対するファンの方の反応はいかがでしたか。

YUZUKI: かなりうれしい反応をいただいています。特典会で「カミフレちゃんだったらこの子が気になってるよ」と教えてくれたり「まだ推し決まってないから次のライブで決めようと思ってんだよね」と言ってくれたり、シャチフレに対して期待していただいているので、とてもうれしいです。
HINANO: ライブや特典会で、より近い距離で会えると思うと楽しみですね。

―― せっかくコラボをしたので、今後こういったことを一緒にやってみたい、といったことはありますか?

NAO: 何をしようかな~。
YUZUKI: 1泊2日の旅!
一同: したい!
AIRI: 配信しよ!

―― 女子旅ですね...!行くとしたらどの辺でしょう。そういえば、SKE48はJR東海の「『冬の飛騨路キャンペーン』公式アンバサダー・サポーター」として、新型車両のHC85系を宣伝していますね。

NAO: 飛騨高山めっちゃいい!行きたいですね。
YUZUKI: ファンクラブツアーもありじゃない?最近できてないけど、ファンクラブに入ってる方で少人数で旅行するの。バーベキューとか、メンバーごとにコースが分かれたり...。
HINANO: やりたーい!

―― この3年ほどはコロナ禍で難しかったですが、そろそろ...といったところでしょうか。列車を貸し切ったり、夢がありますね。

一同: やりたい!超楽しそう!

TEAM SHACHI プロフィール
スターダストプロモーション所属、愛知県出身の秋本帆華、咲良菜緒、大黒柚姫、坂本遥奈からなる4人組名古屋発ガールズグループ。 前身グループである「チームしゃちほこ」から 2018 年秋に改名した。

カミングフレーバー プロフィール
2019年結成。通称「カミフレ」。数々のアイドルフェスや音楽フェスに出演し、 19年8月30日に名古屋ボトムラインで初単独ライブを開催。21年6月16日、初のミニアルバム「かみふれ!」を発売、インディーズオリコンデイリーチャート初登場2位を獲得した。

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