大谷翔平は「ストレートを制球できないときつい」 中国戦まだ7割程度...WBC元コーチが状態分析

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   ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドB組初戦が2023年3月9日、東京ドームで行われ、日本が中国を8-1で下した。

   日本は1回に無死満塁のチャンスで四球による押し出しで1点を先制。4回には1死1、3塁の場面で大谷翔平投手(エンゼルス、28)がレフトフェンス直撃のタイムリーツーベースを放ち2点を追加。7回、8回に追加点を奪い9安打8得点を挙げて初戦を飾った。

  • 大谷翔平投手(写真:CTK Photo/アフロ)
    大谷翔平投手(写真:CTK Photo/アフロ)
  • 大谷翔平投手(写真:CTK Photo/アフロ)

「スライダーが甘く入るとメジャーリーガーは見逃さない」

   先発の大谷は4回1安打無失点5奪三振の好投を見せ、5回からマウンドに上がった第2先発の戸郷翔征投手(巨人、22)は6回に本塁打を浴びたものの3回2安打1失点7奪三振。その後は湯浅京己投手(阪神、23)、伊藤大海投手(日本ハム、25)と繋ぎ中国打線を封じた。

   1次ラウンドの初戦を飾り幸先の良いスタートを切った侍ジャパン。J-CASTニュース編集部は、13年WBCで戦略コーチを務めた橋上秀樹氏(57)に中国戦を分析してもらい、10日に行われる日韓戦の展望を聞いた。

   橋上氏は大谷の投球について「昨シーズンの内容から考えるとまだ7割程度かなという印象を受けました。特にストレートの制球が定まっていなかった。スライダーなど力加減をある程度セーブしながら投げることができる球種の方が、制球が安定するということで途中からかなりスライダーが多くなった」と解説し、次のように続けた。

「昨日の投球を見ると、これから勝ち進んで上に行った時、160キロのストレートをある程度制球できないときついなという感じがしました。彼の持っているものを考えればまだまだ物足りない。中国打線は甘いスライダーでも見逃したり空振りしてくれるが、メジャーの選手がいるチームと対戦すると長打を食らう可能性が出てくる。特に右バッターの肩口から入ってくるスライダーの危険性が高い。肩口からのスライダーは一番長打を打たれやすいボール。甘く入ると、おそらくメジャーリーガーは見逃さないと思います」

「村上選手は大谷選手のスイングの残像も頭にあると」

   打線に目を向けると、序盤の得点チャンスを生かせなかったものの、最後は地力の差を見せつけた。一方で4番に入った村上宗隆内野手(ヤクルト、23)から快音が聞こえず3打数無安打2三振2四球だった。3月7日に行われたオリックスとの強化試合では6番に入り、吉田正尚外野手(レッドソックス、29)が4番に起用され、岡本和真内野手(巨人、26)が5番を任されたが、この日は吉田が5番、岡本が6番に入った。

   橋上氏は村上について「ネクスト(バッターズ・サークル)で目の前の大谷選手のスイングを見るとおのずと力が入ってしまう。大谷選手のスイングの残像も頭にあると思います。中国戦では知らず知らずに力んでいるように見えました。本人も力みを感じていると思います。このまま1次ラウンドを勝ち進み、村上選手の状態が上がらないようであれば栗山監督は外すことも視野に入れていると思います」と解説した。

   10日は注目の日韓戦となる。韓国は初戦でオーストラリアに黒星を喫し、1次ラウンド突破に後がない状況だ。

   橋上氏は「韓国戦では先制点を取ることが必須条件。韓国投手のレベルは決して低くない。先発が予想されるダルビッシュ投手は日本の投手の中でもボールに対する対応力を含めて一番安心できる投手。ただ球数制限があるので、第2先発以降の勝負になると思う。中国戦ほど序盤にチャンスはないでしょうし、韓国は初戦で負けているだけに緊迫感が増している」と分析した。

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