駅弁や新幹線車内食を販売するジェイアール東海パッセンジャーズ(東京都中央区)は、人気キャラクター「ちいかわ」を起用した「ちいかわ駅弁」を2023年3月8日から東京駅などの売店で販売をはじめた。
販売初日には整理券を求めて早朝から行列を作るファンの姿がSNS上で拡散され、2日目も通勤時間帯にはすべて売り切れた。同社の担当者は「非常に多くのお客様からご注目いただき、ご支持をいただいていることをあらためて認識させていただきました」としている。
「ちいかわすごすぎ」「ガチ勢を完全に舐めてた」
「ちいかわ」はイラストレーター・ナガノさんによる漫画作品。主人公の動物「ちいかわ」と仲間たちによる、かわいらしいながらもシビアな世界観のストーリーが人気だ。
今回発売された「ちいかわ駅弁」は、作品に登場する「ちいかわ」「ハチワレ」「うさぎ」が東海道新幹線に乗ったイラストがパッケージにデザインされ、弁当の具材にはキャラクターが描かれた魚肉シートを使用。お品書きや箸袋のデザインも「ちいかわ」仕様で、キャラクターの描かれたポストカードも同梱されている。
価格は1580円(税込み)で、東京駅、名古屋駅、新大阪駅構内の売店で第1期(3月8日の営業開始~14日の閉店まで)と第2期(4月5日の営業開始~11日の閉店まで)に分けて販売。東京駅では1日あたり約300食、名古屋駅と新大阪駅では1日あたり約100食を販売するとした。
販売初日となった3月8日は、各駅で早朝から整理券を配布の上で販売した。SNS上では、早朝から整理券を求めて並ぶ人たちの写真が拡散され、「ちいかわすごすぎ」「ガチ勢を完全に舐めてた」などと話題に。中には、始発列車に乗って訪れたにもかかわらず、整理券を受け取れなかったという声もあった。
東京駅では4時30分から300人待機
東京駅では当初、駅の改札外で4時45分から整理券を配布すると発表していたが、10分前倒しして整理券の配布をはじめた。ジェイアール東海パッセンジャーズの担当者は9日の取材に、初日は4時30分時点ですでに300人程度の待機客がいたと説明。一般客の通行に支障をきたす可能性や、配布時間を早めても整理券配布対象者が変わらなかったことから、10分早い4時35分から配布を始めたとした。
販売2日目となった9日も、事前に整理券を配布する方式で早朝から販売。いずれの駅でも初日ほどの混雑はなく、途中から整理券を必要としない販売方式に切り替えた。それでも、各駅ともに通勤時間帯には駅弁が売り切れた。
「ちいかわ駅弁」人気について、同担当者は「非常に多くのお客様からご注目いただき、ご支持をいただいていることをあらためて認識させていただきました」と話す。10日も整理券を配布して販売する。週末の11日、12日の販売方式は後日発表するとしている。
「ちいかわ」をめぐっては、サントリー「C.C.レモン」や衣料品店「しまむら」などがコラボを実施。今後は外食チェーンの「ガスト」やプロ野球・福岡ソフトバンクホークスとのコラボも行われる。