卵の高騰「生産者としては大変ありがたい」 「ぼったくりすぎ!」と批判も...崩壊寸前の鶏卵業界

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「価格上昇の理解を求めていきたい」

   半澤さんによれば、卵の価格は飼料代が半分を占めるが、飼料価格は右肩上がりだ。半澤鶏卵では価格を抑えるために、設備更新や機械化の推進、配送効率の見直し、資材のコストカットに加え、産卵率の上昇を図って飼料を見直したり鶏の住む環境を整えたりするなど、「出来ることは可能な限り行いました」という。

   半澤さんは「価格上昇の理解を求めていきたい」と訴える。

「卵の価格上昇については、正直生産者の私たちとしては、大変ありがたい状況です。むしろ、これまでの価格帯での販売では、大手の生産者さんでさえもコストが全く合わない状況でしたため、卵一つ作るために掛かる労力やコスト、鳥インフルエンザのリスクを考えると、これから卵を作る方が本当にいなくなるくらい深刻な状況でした」

   半澤さんの業界の窮状を伝えたツイートは、約818万回表示され、約2万9000件のリツイート、約8万件の「いいね」が寄せられる大きな反響があった。リプライ欄には「値上げしてこんちくしょーと思っていました...大変なのは生産する側ですよね」「卵の高騰は正直痛いですが、そもそもの価格が安すぎたのではないかと思います」などと納得する声が寄せられた。

   こうした反響について、半澤さんは次のように受け止める。

「想像していた以上に、皆様からのコメントやメッセージが温かい言葉に溢れていて業界の方々全員に見てほしいくらい、励みになるものばかりでした。本当に感謝しかありません。思い切って投稿して本当に良かったです」

   半澤さんは将来、祖父が創業した半澤鶏卵を継ぎたいと望む。しかし「業界の外に発信する力がまだまだ不足している」と考え、2022年に日本卵業協会が認定する卵のソムリエ資格で最高峰の「五ツ星タマリエ」を取得。卵業界を盛り上げるため「これからも生産者と消費者がお互いに歩み寄れるような情報発信をしていきたいと思っています」と意気込んだ。

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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