なぜ養鶏場が減っているのか
農水省の発表によれば、養鶏場の数は小規模層を中心に減少傾向が続いている。こうした状況について、半澤さんは次のように説明する。
「競争の原理が働き、取引先に対しての卸値や販売価格が、小~中規模の生産者さんと、大手の生産者さんではやはり大手さんのほうが有利です。小~中規模の生産者さんにとってはそれでは収支が合わずに、辞めていかれるケースが多くなっているという認識です」
その結果、大手が鶏の羽数を増やし、寡占化が起こっているという。農水省の発表を参照すると、国内の卵を産む鶏の数は横ばいだ。
「自分たちが大切に育てた鶏から産まれた卵を、自ら価格を下げ、シェアを取り合った競争の結果としてその競争に付いていくのが厳しい養鶏場さんが無くなっております。 やはりそこはお互いが競争のため、仕方ない部分ではあるのですが、私たちにも自ら価格を下げにいった責任はあると感じております」
価格を基準に購入する人が多いことや、「物価の優等生」「特売の目玉品」といった安いイメージが定着してしまったことも、値段のたたき合いに繋がっているという。
「もちろん、それでは収支が合うわけが無いので、差別化を目指した商品に向けた努力をしてきておりましたが、なかなか浸透しきっていないというのが現状で、安いイメージが定着した結果、その価格でなければ売れないという共通認識と状況を作ってしまいました」