高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
放送法解釈めぐる「行政文書」が「正確性は当てにならない」理由

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   放送法の解釈に関する文書が「行政文書」と認められたのに、高市早苗・経済安全保障担当大臣は「捏造」認識のままはどうなのか、高市氏は自ら「捏造」を立証すべきなのか。

   こんな光景が、行政文書を公表した小西洋之参院議員と高市氏との国会論戦で見られる。討論のためのテクニックとして相手に挙証責任を持たせることがあるが、まさにそれが繰り広げられている。

  • 高市早苗氏
    高市早苗氏
  • 高市早苗氏

単なるメモでも他の職員が仕事で使えば行政文書になる

   一般の方が行政文書と聞くと、正確なものと誤解するが、そうでもない。行政文書の法的な定義は、「行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているもの」(情報公開法第2条)だが、単なるメモでも他の職員が仕事で使えば行政文書になるので、その正確性は別問題だ。

   議論となっている今から8年前の2015年2月13日「高市大臣レク結果」について見てみよう。当時の高市総務大臣に対する説明と高市氏の応答ぶりが書かれている。

   これは行政文書だ。職務で職員が作成し、職務で使って保存していたからだ。しかし、正確性は当てにならない。というのは、一番上の配布先に注目すると《桜井総審、福岡官房長、今林括審、局長、審議官、総務課長、地上放送課長←放送政策課》とあるが、大臣側が抜けているからだ。大臣側へも配布していれば大臣側もチェックできるので信憑性が増すが、それがないので、正確性が担保されていない典型的な行政文書だ。ちなみに、高市氏は、そんな言い方はしていないと否定している。

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