成蹊大学は2023年3月3日、教員が2月上旬にフランス・パリで学生の個人情報が入ったPCなどの盗難被害に遭ったと公式サイト上で発表した。
日本大学と東海大学も、教員が同じ日にパリで盗難被害にあったとしており、流出したおそれのある個人情報は3大学合わせて5500件を超える。
パリ近郊の空港で盗難
成蹊大の発表と3月6日の広報担当者への取材によると、教員は2月6日にパリ近郊の空港で、学生と卒業生の個人情報が入った個人所有のノートパソコン、USBメモリを盗難被害により紛失した。
ノートパソコンとUSBメモリには、2001年度から現在までの期間に教員が担当した科目の履修者データ2889人分(学生証番号、学生氏名、成績評価)、履修者名簿(2020年度、2022年度のみ)、2020年度以降に提出されたレポートが含まれていた。発表時時点では個人情報の流出は確認されていない。
大学は「関係者の皆さまには、多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪。「このような事態を重く受け止め、再発防止対策を実施するとともに、教職員に向けて再度、成蹊学園情報セキュリティガイドラインの周知徹底を行い、再びこのような事態が起こらぬよう万全を期してまいります」と今後の対応を伝えた。
日大、東海大でも同様被害
日大も2月20日、教員がPCとUSBメモリの盗難被害にあったと発表している。日大広報担当者への3月7日の取材によると、生物資源科学部と国際関係学部の非常勤講師が2月6日にパリ近郊の空港で置き引き被害にあったという。
盗まれたPCとUSBには、生物資源科学部に2004年度から現在までに在籍していた人の個人データ271人分(学生証番号、学生氏名、成績評価及び2020年度以降に提出されたレポート)と、国際関係学部に2004年度から2011年度までに在籍していた人の個人データ384人分(学生証番号、学生氏名及び成績評価)が含まれていた。
東海大も2月22日、教員が2月6日にパリ近郊の空港でPCとUSBメモリの盗難被害にあったと発表している。盗難品には「履修者名簿に記載された、在学生216人、卒業生1530人の『学生証番号』『氏名』『出欠記録』『成績評価』」「顔写真(ゼミ生270人)」「提出レポート(2020年以降電子データで提出を受けたもの)」「試験答案(2020年以降電子データで提出を受けたもの)」が保存されていた。3月8日の広報担当者への取材によると、教員は同大学の非常勤講師だとした。
2月6日にパリで発生した盗難被害で流出したおそれのある個人情報は、3大学合計で5560件にのぼる。