「UFO型信号機」と呼ばれる信号機がSNSで話題になり、実際に現物を見たいというコメントなどが寄せられている。しかし、これは日本に数基しか残っておらず、今後撤去される予定だという。
正式名称は懸垂型交通信号機。開発した名古屋電機工業(愛知県あま市)は2023年3月3日、J-CASTニュースの取材に、撤去理由を「老朽化やこれに伴ってメンテナンスが困難になってきていることが主な理由だと考えられます」と明かした。
「現時点で"数基"現存している可能性がある」
発端は3月1日にあったツイッター上の投稿。UFO型信号機を実際に見に行ったというユーザーが写真で紹介した。
「口」のような形をした信号機で、各面には青・黄・赤の車両用信号が配置され、内側の各面にも青・赤の歩行者用信号が配置されている。これらが一体になっている信号機が「懸垂型交通信号機」だと、名古屋電機工業の公式サイトで説明されている。設置する柱は1本で済むように製作されたという。
投稿は3日までに7600件以上のリツイートや2万7000件以上のいいねを集めるなど話題になり、「見てみたい」「生で現物を見たくなってしまいました」などと関心を寄せる声や、「意外とレアな信号だったのか」などと驚く声が上がった。
実際には何基ほど存在するのか。名古屋電機工業は3日、「私どももリアルタイムで把握しておらず、現時点で"数基"現存している可能性がある、との認識です」と取材に回答。22年3月時点では、宮城県内に5基存在していたという。
同社によれば、初めて設置されたのは1975年9月で名古屋市内の交差点だった。当時の街並みは、建物が密集して見通しが悪く、交通事故が多発し社会問題になっていた。狭い街路では信号機を設置する柱の場所がなく、このような場所に設置できるように開発したという。