実用化に向けての課題は
従来だと、5000字ほどの原稿作成には平均3時間20分程度かかっていたが、(1)タイトル作成5分(2)骨子作成5分(3)本文執筆10分――の計20分となり、10分の1に短縮できたという。
時短以外にも、「ライティングの知見リソース、予算が不足しているため、記事執筆を通じたコンテンツマーケティングが実施できなかったクライアントで、自社メディアの記事をリリースできた事例も生まれております」とし、「記事執筆のハードルを格段と下げることができました」と太鼓判を押す。
ツールは月額課金モデルを想定し、SEOやマネタイズなど周辺領域のコンサルティングも併せて提供予定だ。
一方で、実用化に向けて課題もある。事業リスクの把握が難しく、先行するAIサービスの調査や関係者へヒアリングを進めている。
そのためβ版は外部公開しておらず、自社の担当者を挟んで運用している。クライアント、chipper、法律関連の提携企業の三者がチェックする体制だ。
試験導入したメディアでは、「YMYL(Your Money or Your Life)」と呼ばれる分野の記事化は避けている。グーグルが「人々の健康、経済的安定、安全、または福祉や幸福に重大な影響を与える可能性がある」と定義した、誤った情報を伝えた際のリスクが高いトピックを指す。「WELQ」騒動はまさしくこの分野で起き、グーグルも検索順位の評価を厳しくしている。
chipperは将来的に、「AIを使った類似サービスのように、コンテンツポリシーを制定し、遵守できる企業にのみ提供する形への移行を模索したいと思っています」としている。