得点力不足の広島、復活に「2つの課題」 クリアできれば「十分上位で戦える」...専門家が今季展望

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   プロ野球の広島カープは2023年の今季、新井貴浩監督(46)のもと新体制でシーズンに臨む。昨季は5位に沈み4年連続でBクラスに終わった。新たに指揮官が代わり巻き返しを図る広島。18年以来のリーグ優勝に何が必要なのか。J-CASTニュース編集部は、楽天の元ヘッドコーチで巨人、西武、ヤクルトのコーチを歴任した橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

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「デビッドソンは期待を持てるバッターに見える」

   昨季の広島は開幕から6連勝を飾りスタートダッシュに成功するも5月に開幕したセ・パ交流戦で最下位となり失速。中盤以降も調子が上向くことはなく、最終的に最下位中日と0.5ゲーム差の5位に終わった。シーズン終了後に佐々岡真司監督(55)が辞任を表明した。

   橋上氏は「昨シーズンは戦力を生かし切れていないという印象がありました。選手のモチベーションが下がっていたようにも見えました」と昨季を振り返り、「新井監督に代わったことでモチベーションを含め様々な面でプラスが大きいと思います」と語った。

   投手陣に関しては、「昨シーズンは数が足りず全体的にあまりよくなかった」とし、「抑えの栗林(良吏)投手につなぐまでのピッチャーが不安定だったという印象が強かった。今年のキャンプ、オープン戦を見ると中継ぎの層が厚くなった感じがある。底上げはできていると思います」と評した。

   一方、打撃に関しては得点力アップが大きな課題になると指摘。広島は昨季、リーグトップのチーム打率を誇るも得点数ではリーグ優勝を果たしたヤクルトに60点以上の差をつけられた。本塁打数はリーグ4位の91本で、対してヤクルトは174本だった。

「広島がこの投手力で優勝に絡むにはヤクルトくらいの得点力が必要になってくる。昨シーズン、チーム打率が良かったが得点がヤクルトに及ばなかったのはホームランが圧倒的に少なかったから。これを解消するためホームランの打てる可能性のあるデビッドソン選手を獲得した。ピンポイントの補強です。映像を見る限り、期待を持てるバッターに見える。変な癖が無く、体のブレがない。頭が前後に動く動作も少ない」

「昨シーズンは盗塁が圧倒的に少なかった」

   そして「昨年日本の野球を経験したマクブルームという同じ右の長距離バッターがいるので、彼が良いアドバイスを送れると思います。デビッドソンが機能すれば打線にかなりの厚みが出ますし、しっかりサードで固定できれば坂倉(将吾)選手をキャッチャーで固定できるアドバンテージができる」との見解を示した。

   もうひとつの課題に挙げたのが盗塁だ。広島は昨季リーグワーストの26個だった。最多は阪神の110個。26個の盗塁は両リーグでワーストだった。

「昨シーズンは盗塁が圧倒的に少なかった。今の戦力でも十分に足を使える選手がいる。盗塁の少なさは監督の野球観が反映されていると思います。チームの戦力を効果的に使えていない。盗塁に対する意識、チームの共有が低かったと思う。ホームランと盗塁。これが得点力をアップするためには必要になってくる。そうすれば今の投手力でも十分に上位で戦えるだけの力がある」

   橋上氏は今季の開幕スタメンを以下のように予想した。

   1番・秋山翔吾(センター)、2番・菊池涼介(セカンド)、3番・西川龍馬(レフト)、4番マクブルーム(ファースト)、5番デビッドソン(サード)、6番・坂倉将吾(キャッチャー)。7番・野間峻祥(ライト)、8番・小園海斗(ショート)、9番・投手。7番と8番に関しては入れ替わる可能性あり。

   5年ぶりのリーグ優勝を目指す広島は、3月31日に敵地・神宮球場に乗り込みヤクルトと開幕戦を行う。

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