徳島県小松島市内の県立小松島西高校・食物科が、コオロギパウダーを使った給食を試食で出したところ、「子供に食べさせるな」といったクレームが相次いでいる。
これまで試食を2回行ったが、3回目以降は考えられない状況だという。今後のたんぱく源として昆虫食がクローズアップされているが、新しい食材への拒否反応は相変わらず根強いようだ。
「上からは、しばらく動かないようにと言われました」
「クレームの電話がすごくかかってきて、上からは、しばらく動かないようにと言われました。状況的に厳しくなければ、使用を継続していこうと思っていましたが、この先は考えられない状況ですね」
食物科長の多田加奈子教諭は2023年2月28日、J-CASTニュースの取材にこう説明した。
その説明などによると、コオロギパウダーを使った給食は、生徒同士が市販の乾燥食用コオロギを食べるゲームをしていたのを見て、多田教諭がその美味しさに驚き、環境を考えるきっかけにと給食導入を考えた。そして、食用コオロギを手がける大学発ベンチャー企業・グリラス(徳島県鳴門市)からパウダーの提供を得て、22年11月に1回目の試食を行った。
食物科の生徒らが、コロッケに使われるひき肉の代わりにパウダーを使った「かぼちゃコロッケ」を考案して作り、在校生のうち約170人が試食に加わった。食べるか否かは選択でき、給食を考案した生徒は、最初は抵抗感があったものの、香ばしくて美味しい食材だと感じたという。食用コオロギが学校給食に使われたのは、これが国内初だとしている。
コオロギパウダーを使った給食については、2月下旬に2回目を実施したうえで、使用を継続するか検討されると一部で報じられた。
ところが、昆虫食については最近、著名人らも含めた議論になっており、批判的な意見も多い。給食導入について、ネットニュースのコメント欄などでは、「管理栄養士がいるから 大丈夫じゃない?」と認める声もあったが、「アレルギー大丈夫なの?」「給食で出すなんておかしい」などと懸念する声が多かった。