『源氏物語』をテーマにした国学院大学博物館(東京都渋谷区)の企画展に、連日多くの人が詰めかけている。
販売するハンドブックも「すごい売れ行き」で増刷となり、関係者も驚く盛況ぶりだ。
通常の倍の反響
国学院大博物館では2023年1月28日から、企画展「物語絵―嫁入本『源氏物語』全54帖公開―」を開催している。入館は無料。
国学院大の図書館が所蔵する源氏物語の各帖に施された彩色絵54点を一挙公開し、収められていた装飾箱、十二単(じゅうにひとえ)として知られる女房装束、『竹取物語』『伊勢物語』もあわせて展示する。
1月28日~2月26日までの前期に「桐壺」巻から「藤袴」巻が、3月1日~26日の後期に「真木柱」巻から「夢浮橋」巻まで公開する。
博物館は2月下旬、ツイッターで「すごいペースで『源氏物語』ハンドブックが売れておりまして、後期展示に向けて増刷が決定しました!」と報告し、在庫がわずかのため1人1部のみの購入を呼びかけた。
学芸員の佐々木理良さんは28日、J-CASTニュースの取材に、企画展に合わせて製作したハンドブックが900冊以上売れたと話す。普段の企画展では会期通じて500部売れれば好評といえるが、今回は前期だけで完売して増刷が決まった。「かなりの売れ行き」と驚いた様子だ。
来館者も、すでに前回の展示の倍近い4536人が訪れた。客層は「圧倒的に女性が多い」という。
大河、刀ステ効果?
ツイッターでは鑑賞したとみられる人からの「来年の大河に向けて源氏物語入門する」「来年の大河ドラマの関係か、入場者も多かったです」といった投稿が見つかる。2024年放送予定のNHK大河ドラマ「光る君へ」は、源氏物語を書きあげた紫式部の人生を描く。
「刀ステのタイミングで行きたかったので」「禺伝で見て激アツな源氏物語」と、舞台「刀剣乱舞」(刀ステ)のファンからとみられる報告もあった。源氏物語をモチーフとした公演「禺伝 矛盾源氏物語」が、2月4日~19日に行われていた。
佐々木さんによれば、国学院大博物館では19年に刀剣をテーマにした特別展「神に捧げた刀―神と刀の二千年―」を開き、今回の客層はその時と似ている。「そうしたファンとみられる方も来場してくださっています」と話した。
《増刷決定!!》
— 國學院大學博物館 (@Kokugakuin_Muse) February 24, 2023
すごいペースで『源氏物語』ハンドブックが売れておりまして、後期展示に向けて増刷が決定しました!
ここ数日は在庫僅少なので、できればお1人様1部で何卒よろしくお願い申し上げます!!#國學院大學博物館 #源氏物語 pic.twitter.com/PwnH4xeRBu