韓国サッカー協会(KFA)は2023年2月27日、ドイツ出身のユルゲン・クリンスマン氏(58)が同国代表監督に就任したと発表した。契約期間は23年3月から26年ワールドカップ(W杯)までの約3年5カ月。3月24日に行われるコロンビアとの親善試合が初陣となる。
「ヒディンク氏とオーバーラップする」
地元メディアはクリンスマン氏の監督就任を一斉に報じ、複数のメディアが好意的に受け止めた。地元メディア「スターニュース」(WEB版)は、02年W杯日韓大会で韓国をベスト4に導いたフース・ヒディンク氏(76)と重ね合わせ期待を寄せた。
両者の共通点はW杯で韓国を撃破したことだ。クリンスマン氏は現役時代の94年W杯米国大会のグループリーグで韓国と対戦し、2ゴールを挙げてチームの勝利に貢献。同メディアは、クリンスマン氏のゴールは「韓国のW杯の歴史を振り返った時に忘れられない屈辱の瞬間だった」と解説した。
一方のヒディンク氏は98年W杯フランス大会で母国オランダを率いてグループリーグで韓国と対戦した。試合は序盤からオランダが韓国を圧倒し5-0の大勝。3年後の01年に韓国代表監督に就任し、W杯日韓大会で世界の強豪を次々と倒して4強入りを果たした。このような背景からクリンスマン氏がヒディンク氏とオーバーラップするとした。
クリンスマン氏は現役時代、ドイツ代表(西ドイツ時代含む)FWとしてW杯3大会連続出場を果たし、90年イタリア大会では優勝を経験。現役引退後は指導者として欧州クラブの監督を歴任し、地元開催の06年W杯ドイツ大会では母国を率いて3位に導いた。11年から米国代表監督を務め、14年W杯ブラジル大会で決勝トーナメント進出を果たした。
「立派な監督たちの後に続くことを栄誉に考える」
韓国メディア「NEWSIS」(WEB版)は、韓国代表エース孫興民(ソン・フンミン、30)とクリンスマン氏の「縁」に注目した。
クリンスマン氏は現役時代の94-95シーズンにプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーFCでプレーした経験を持ち、同クラブに所属する孫の先輩に当たる。同メディアは、トッテナムに所属した期間に30年近い開きはあるものの両者は先輩後輩の関係にあるとし、クリンスマン氏の初采配となるコロンビア戦での孫のプレーに注目している。
同メディアによると、クリンスマン氏は協会を通じて「韓国サッカー代表チームの監督になってとても嬉しく栄光です。代表チームが長期間にわたって絶えず発展して成果を出していることをよく知っている。ヒディンク監督をはじめ、パウロ・ベント監督に至るまで歴代韓国を指揮した立派な監督たちの後に続くことを栄誉に考える」とコメントした。