「ご飯とか食べて」「カツ丼になります」は変な日本語? タモリのダメ出しで注目...国語辞典編纂者が解説

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「『なる』には『変わる』以外にも、いろいろな意味の『なる』があります」

   「カツ丼になります」のような「○○になります」についても聞いた。

「飲食店の店員が『○○になります』と言うことも、1980年代から指摘があります。『カツ丼になります』と言っても、これからカツ丼に変わるわけではありません。『なる』には『変わる』以外にも『高さ5メートルにもなる銅像』『逃がしてなるものか』など、いろいろな意味の『なる』があります。『カツ丼になります』も、多くの意味のひとつと考えれば気にならないでしょう」

   だとすると、今回取り上げられた「なる」はどういう意味なのだろうか。

「『相当する』という意味です。『こちらが○○になります』という文型で使われることに注意してください。『こちらが正面になります』など、遅くとも明治時代から、『なる』は『相当する』の意味で使われてきました。飲食店の場合、『カツ丼です』と直接的に言うのでなく、『こちらがカツ丼に相当します』と婉曲に言っているのです」

   最後に、飯間氏は「カツ丼でございます」と言うのがいいのかとする声にも答えた。

「それでもいいのですが、『カツ丼でございます』は『カツ丼です』を単純に丁寧に言ったものです。『こちらがカツ丼になります』は、さらにカツ丼を直接に指すことを避けた婉曲表現です。『これから変化する』の意味ではなく、理屈は通っているわけです。それぞれの飲食店の雰囲気に合わせて、表現を選んではどうでしょう」

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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