「もはや変な使い方とまでは言えないでしょう」
まずは、「とか」を他に何もなく使う場合について聞いた。
「『ご飯とか食べて』という言い方は1980年代に一般化した言い方で、当時『とか弁』などと揶揄(やゆ)されたものです。現在では会話でごく普通に使われ、もはや変な使い方とまでは言えないでしょう。『三省堂国語辞典』第8版では『ものごとをぼかして言うことば』と説明しています」(飯間浩明氏、以下同)
とはいえ、本来の使い方とは言えないのではないだろうか。
「平安時代の用法を見ると、『とか』は本来『鼬(いたち)とかいふなるもの(イタチとかいうもの)』のように、不確かなものを表しました。一方、『ご飯とかお茶とか』のように並べる言い方は中世以降の用法で、比較的新しいですね。その点、今回話題の『ご飯とか食べて』は婉曲(えんきょく)表現なので、不確かなものを表す本来の用法を受け継いでいるとも言えます」