高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
岸田首相の行動が解せない 態勢整えていたというが...北朝鮮ミサイル飛行中に診療

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ミサイル発射を知りつつ、診療所に入った岸田首相

   ただし、発射直後の岸田首相の行動は解せない。防衛省によると、18日17時21分ごろミサイル発射があり、18時27分ごろ北海道渡島大島の西方およそ200キロの日本のEEZ内の日本海に落下し、函館から落下の映像も撮られている。

   岸田首相は、最初にミサイル発射の報告を受けたのは、東京都品川区の診療所に入る直前。発射の20分後に診療所に入り、治療後に官邸に戻り、NSCを開催したという。

   要するに、ミサイル発射を知りつつ、診療所に入り、ミサイル飛行中に診療を受けていたわけだ。治療中も逐次報告を受け続け指示を行う態勢も整えていたというが、報告は治療に当たっていた関係者も聞いていたのだろうか。

   このミサイルについては、破壊命令は常時出された形になっているとはいえ、これでは国のトップとして危機管理が不十分と言われても仕方ないだろう。普通の感覚ならば、ミサイル発射の一報を受けた時に、診療所に向かっていたとしても、診療所に入らずに官邸に戻り、NSCを開催後に、一段落してから例えば翌日に治療すべきだった。はたして、岸田首相に国民の生命と安全を守る覚悟があるのだろうか。なんとも悪いタイミングだったが、マスコミがこうした不祥事をあまり取り上げないのも解せない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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