俳優の吉永小百合さん(77)が2023年2月21日、スキンケア商品「五島の椿」の発表会に出席した。「五島の椿」は、長崎・五島列島のツバキを活用し、産学官民が連携して地域活性化を目指す「五島の椿プロジェクト」の一環。
吉永さんは10年ほど前から繰り返し五島列島を訪問。プロジェクトが発足した20年に、広報活動で協力する「椿サポーター」に就任している。化粧品のプロモーションは「もう一切やらない」と決めていた吉永さんだが、プロジェクトの趣旨に賛同し、36年ぶりにスキンケア商品をPRすることにした。
潜伏キリシタンに関心、福江島や久賀島で教会をめぐる
吉永さんは、キリスト教が弾圧された江戸時代初期の様子をポルトガル人司祭の視点から描いた遠藤周作(1923~96)の小説「沈黙」を読んで長崎県の潜伏キリシタンに関心を持ち、11年に初めて五島列島を訪問。福江島や久賀島で教会をめぐった。12年にも上五島を訪問している。主演映画「最高の人生の見つけ方」(19年公開)は五島市で撮影された。
「椿サポーター」就任後の22年4月にはプロジェクトの特別企画として、主演映画「いのちの停車場」(21年公開)の上映会が五島市で開かれ、吉永さんも舞台あいさつのために現地を訪問している。
旗振り役は、トレーニング機器「シックスパッド」で知られる健康・美容機器のMTG(名古屋市)の松下剛社長。松下氏が代表理事を務める「松下財団」がプロジェクトを運営している。松下氏にとって18歳まで育った五島列島は「命の恩人」だが、地場産業が少なく、若者を中心に人口流出が続く。「いつか、必ずこの島に恩返しをしたい」と決意して島を離れ、約30年が経ってプロジェクトが本格化。「五島の椿」生産を通じて雇用創出も目指している。
「五島の若い人たちの働く場所がもっともっと増えるといい」
「化粧品のコマーシャル、化粧品のプロモーションは、もう一切やらないという風に自分は決めていた」
という吉永さん。その理由を
「やはり妙齢になりますと、化粧品を『これ、いいですよ』とみなさまにお勧めするのはどうなのかな?と自分の中で決めていたものですから、『できない』と考えていました」
などと明かした。
だが、松下氏の熱意に押されて「今回、五島の若い人たちの働く場所がもっともっと増えるといいな、と思いまして...」。プロジェクトを「何とか応援したい」とも話した。
この日の吉永さんは、ツバキ色のワンピース姿で登場。「ちょっと恥ずかしい...」とも話していた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)