妖怪マンガの巨匠・水木しげるさんが亡くなった当時を、長女の原口尚子さんが2023年2月20日、ツイッターで振り返った。原口さんによれば、水木さんの死去は家族がまだ霊安室にいる時間に報じられたという。
「今でも『あの時間を返せ!』と思います」
発端は「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」などで知られるマンガ家・松本零士さんの訃報。プロダクション「零時社」代表を務める長女・摩紀子さんが20日、松本さんが13日に亡くなったことを発表し、各種メディアで報じられた。85歳だった。告別式は近親者のみで既に執り行ったという。
原口さんは、「男おいどん」「戦場まんがシリーズ」が好きだったとして、ツイッターで「ご冥福をお祈りします」と追悼。同じく漫画家二世として対応に努める松本摩紀子さんに対し、「頑張っておられる...」とコメントした。
原口さんは、松本さんへの追悼ツイートを見る中で父・水木さんの死去当時を思い出したという。
「松本先生は亡くなられてから1週間経っての公表。ご家族が静かにお別れできる時間が十分にあったのではと思います。 かたや水木の時は、亡くなったことを家族しか知らないはずの時間になぜか死亡の速報をマスコミが公表。まだ水木プロのスタッフにも知らせていない、家族がまだ病院の霊安室にいる時間でした」
水木さんは2015年11月30日、東京都内の病院で息を引き取った。その日中に各種メディアが報じている。
「私達は父との静かな別れの時間を奪われて、気持ちのやり場がないまま葬儀に向かいました...今でも『あの時間を返せ!』と思います。 『有名税だから仕方がない』という人がいるけど、それは違うと思う」