マックの「PUFFY風」CMはなぜ叩かれたのか 元ネタへの愛不足?過去事例に見た不評のワケ

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   原作のある作品のメディアミックス、過去に流行ったもののオマージュなど、世の中にはあらゆる形で「元ネタ」のあるコンテンツが生まれています。

   Twitterでは、元ネタありきの新コンテンツが注目されると、「元ネタへの愛・リスペクトをどれだけ感じられるか」という点について議論になりがちです。

   ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいでわかる週刊Twitterトレンド【J-CAST出張版】」、今回は「元ネタへの愛・リスペクト」にまつわる話題を掘り下げます。

  • マクドナルド(写真:森田直樹/アフロ)
    マクドナルド(写真:森田直樹/アフロ)
  • マクドナルド(写真:森田直樹/アフロ)

「PUFFY」のオマージュっぽいことは分かるけど

   まずはオマージュに関する話題から。

   2023年の2月に、日本マクドナルドが公開した新CMについて、ボーカルデュオ「PUFFY」のファンによるツイートが盛り上がりました。

   CMは「アジアのジューシー」と題して、タレントの飯豊まりえさんと西野七瀬さんがPUFFYの代表曲『アジアの純真』の替え歌とともに新商品を紹介するという内容。

   日本マクドナルドのプレスリリースには「PUFFY」への言及はありませんが、替え歌の選曲はもとより、女性タレント2人によるデュオがTシャツにジーンズというラフな姿で歌う姿についても、PUFFYのオマージュだと解釈した人が多いようです。

   そんな中、TwitterではPUFFYのファンからのCMに対する疑問の声が少なからずあがりました。

   CMは「PUFFY風」の演出がなされているものの、PUFFYの「ラフそうに見えてファッションやヘアメイクに徹底的にこだわっている」という強烈な個性と、そのスタイルが高い人気を博した文化的背景について深く理解した上で作られたオマージュとは思えない、という意見です。

マクドナルド「アジアのジューシー」のCMからはじまるPUFFYのファッションや90年代カルチャーの話 -Togetter

   疑問の声に対して「パロディやオマージュは、元ネタへの理解や愛がどのくらいあるのか、好きだった人が見るとわかってしまう」「改めてパロディやオマージュの難しさを思う」といった反応も見られました。

フランス版『シティハンター』に原作ファンが唸った

   コンテンツ制作者側の元ネタへの愛や理解度の深さは、国や文化をまたいでも伝わることを示す話もあります。

   2019年に公開された映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』をご存じでしょうか。週刊少年ジャンプの人気漫画『シティーハンター』を原作に、フランスで制作された作品です。

   人気作品の「実写化」は、特に原作ファンの評価が厳しくなりやすく、メディアミックスの中でも制作のハードルが高いとされるジャンルの一つです。『シティーハンター』は、原作・アニメ版ともに国内で大ヒットしたこともあり、海外での実写化にあたってどこまで原作の良さを再現できるかに大きな注目が集まっていました。

   映画が日本で公開されると、Twitterでは原作ファンから完成度の高さを絶賛する声が相次ぎました。キャラクターたちのビジュアルや、特徴的なコメディ描写など原作の良さを巧みに映像に落とし込んだ制作陣の手腕が評価されたのです。

フランス映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』が完璧な映画化、100点満点のところ150点と絶賛の声 -Togetter

   「今までの人生で観た中で一番原作愛を感じる映画だった」「やはり制作陣の作品に対する愛こそが作品の質を底上げする」といった反応も多く、改めて制作者の元ネタへの愛や理解の深さが、コンテンツの評価に大きな影響を与えることが分かります。

原作者の悔しさと制作陣への理解

   元ネタ愛・リスペクトに関する話題の中で「じゃあ原作者はどう思っているのか?」が気になる人もいるのでは。

   Twitterでは、漫画家の藤田和日郎先生が、自身の作品『うしおととら』のアニメ版について、原作との差異に言及した例があります。

   藤田先生は、「(アニメには)原作エピソードのアレがないからダメ」「(アニメは原作と比べて)テンポが早すぎてダメ」といったアニメ版に対する否定的な感想が自分の元にも届いていることをツイートしました。

   否定的な感想を持つ人たちに対して「わかるよ。その気持ちはわかる。言い方からしても原作を物凄く好いてくださってる方なんだろう」と理解を示しています。実際、藤田先生自身も、原作の全てをアニメ版で取り上げることができない悔しさを感じているようです。

   藤田先生はその上で「アニメのスタッフも、もんのすごく『うしおととら』を大切にしてくれてます」と伝え、アニメ版のスタッフが制作時間など制約がある中で、原作ファンにも届くよう最大限丁寧に、繊細に制作にあたっていることを知って欲しい、と訴えたのです。

アニメ版の『うしおととら』を原作と比べて否定するご意見に対する藤田和日郎先生のツイートが男前すぎる!! -Togetter

   藤田先生の投稿に、ファンからは「作者本人にこれを言われちゃ、もう我らはなんにも言えねぇわな」「先生が一番悔しいですよね。それでも動くうしおととらが観られて俺は幸せです!」といった声が寄せられました。

   ファンが、メディアミックスに対する原作者の感想を知ることができる点もまた、Twitterならではですね。

   元ネタありきのコンテンツは、元ネタをよく知るファンほど深く分析・言及したくなるもの。ただこれらの話題は、必ずしもコアなファンの間だけで共有されるものではありません。Twitterというオープンな場で取り上げられることで、元ネタを深く知らない人にも届き、それがまたコンテンツへの新たな興味や、ファンを生み出すきっかけにもなります。元ネタへの愛・理解の深さに関する話題が拡散されやすいのは、こうした構図が背景にあるのかもしれません。

   以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド【J-CAST出張版】」でした。今回紹介したTogetterまとめを振り返りたい方はこちらからどうぞ。次回もお楽しみに。

まとめ一覧

マクドナルド「アジアのジューシー」のCMからはじまるPUFFYのファッションや90年代カルチャーの話 -Togetter

アニメ版の『うしおととら』を原作と比べて否定するご意見に対する藤田和日郎先生のツイートが男前すぎる!! -Togetter

フランス映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』が完璧な映画化、100点満点のところ150点と絶賛の声 -Togetter

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