手足3本失った僕が思う「障害者の就活の難しさ」 情報隠さずオープンに...当事者が企業に望むこと

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障害者雇用の実例をオープンに

   だから、障害者の雇用では「うちの企業はこういう人材を求めていて、今までこういう障害のある人材を雇用してきた」という実例をオープンにすると、マッチングの精度が上がるんじゃないかと思っています。求人票や会社サイトを見ても、障害者が具体的にどう働けるかはイメージしづらい。「どういう障害者を雇用してきて、どういう部署でどんな経験をして、結果どうなったか」までオープンにしてもらえると、すごくありがたいです。

   障害は十人十色あるからこそ、自分と同じ障害がある人がどうやって働いているかという情報が、そもそも多く得られません。「こういう障害の人がこういう働き方をしている」という実例が少しでもオープンになるだけで、障害当事者の僕としては全然違います。「自分も働けそう」「自分にはできないかも」「キャリアアップできるかも」と具体的なシミュレーションがしやすくなります。

   難しいかもしれないけど、成功例だけでなく、上手くいかなかった事例まで見せることができたら、さらに良い判断材料になります。企業側としても、雇用した障害者が定着しなかった経験があるなら、そうした同じような「失敗」を繰り返さずに済むメリットがあるのではないかと思います。

   一方で、障害者自身もより良いマッチングのためには自分をさらけ出さないといけません。ただでさえ会社側からすると、全員の障害をすぐに理解することは難しい。「こういう障害があって、これはできませんが、あれはできます」とか、できることとできないことをしっかり説明し、理解してもらう必要があります。バリバリ働きたいか、体調の関係で休まないといけないことがあるか、といった働き方の面もそうです。いざ入社してから、「思っていた働き方と違う」となるくらいなら、前もって自分のことをちゃんと理解してもらっておいた方がお互いのためになります。

   会社側も、働きたい障害者側も、マッチングの「精度」を上げるためにやれることはたくさんあります。そのためにはお互いが歩み寄ること、そして知ろうとする意識、知ってもらおうとする意識を持つことが、まず大事なことだと思います。

(構成:J-CASTニュース編集部 青木正典)

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