「時が磨いた味わいや価値は日本酒の世界をもっと広めることが出来る」
今回のケースのように、もし自宅で長期保管していた日本酒が見つかった場合、どう扱うのがいいのか。浦里さんによれば、日本酒はアルコール度数が高いため、腐ったり飲めなくなったりすることはない。熟成により紹興酒に近い味わいに変化するため、中華料理や揚げ物と一緒に飲むのがおすすめだという。
「温度帯的には、常温かお燗(40℃くらいのぬる燗がベスト)がおすすめです。お燗にすると眠っていた香り、味わいが一気に花開きます。
もし、お口に合わないようでしたら、お料理にお使いください。一気に旨味とコクが増します」
日本酒を長期保存する場合は、加熱処理した火入りの日本酒が熟成しやすくおすすめだという。新聞紙で包むなど遮光したうえで、床下や押し入れなど温度変化の少ない場所で保管するのがいいと説明した。
浦里酒造店でも、1985年から氷温貯蔵での日本酒の長期熟成に取り組む。定番商品では、3年にわたって氷温貯蔵した酒を販売している。浦里さんは、日本酒にはワインやウイスキーのようなヴィンテージの文化が育っていないとしながらも、時間をかけた味わいやその価値は「日本酒の世界をもっと広めることが出来る」と期待する。
「時が磨いた味わいはどんなに優れた杜氏でも造ることが出来ない味わいなので、この美味しさを広めることが出来るようPRを続けて参ります」
お客様が「自宅の床下貯蔵庫から古い大吟醸が出てきたが呑めるのか?」とお持ちになりました。
— 浦里酒造店【霧筑波/浦里】醸造元 (@kiritsukuba1877) February 13, 2023
確認したところ本生の平成元醸造年度 全国新酒鑑評会 金賞酒で、33年ヴィンテージでした。
お客様の同意のもと品質チェックのために開栓したところ、素晴らしい熟成をしていました!!
(続く) pic.twitter.com/S4w8Op2KMb