侍ジャパンが2023年2月17日から宮崎での強化合宿をスタートさせた。今回の合宿には、合流が送れるメジャー組の影響で外野手が手薄になる事情から、サポートメンバーとして巨人の松原聖弥、重信慎之介が参加している。
スポーツ紙記者は、春季キャンプをファームで過ごす両外野手に期待を込める。
「持ち味だった思い切りの良さが消えている」
「重信、松原は共に能力が高い選手。特に松原は守備と足だけで言えば、侍ジャパンの本戦メンバーに選ばれても不思議でないぐらいの資質を備えている。課題は打撃。試行錯誤を繰り返し、持ち味だった思い切りの良さが消えている。侍ジャパンの一流の選手たちのプレーを見て、殻を破るきっかけをつかんでほしい」
松原は21年に135試合出場で打率.274、12本塁打、37打点、15盗塁といずれも自己最高の数字をマーク。原辰徳監督にも野球センスを高く評価されたが、昨年は春先から打撃不振で上昇の兆しが見えず、1軍に定着できなかった。
50試合出場で打率.113、0本塁打、4打点、2盗塁。わずか1年で背番号「9」を剥奪された。
つかみかけたチャンスを失うと立場が厳しくなる。今年のキャンプは2軍スタートに。外野は丸佳浩、ウォーカー、新外国人のブリンソンのほか、広島から無償トレードで復帰した長野久義、即戦力ルーキーのドラフト2位・萩尾匡也、「松井秀喜2世」の呼び声高い秋広優人、現役ドラフトで楽天から移籍してきたオコエ瑠偉など競争相手が多い。
外野守備はチームトップクラス
だが、松原にチャンスがないかというとそうではない。
丸が中堅から右翼に回り、ブリンソンの状態が上がって来なければ、レギュラー争いが激化する。松原は俊足を生かした広い守備範囲と強肩で外野の守備力はチームトップクラス。1軍昇格へアピールするためには、打撃に尽きる。
持ち味のバットコントロールを取り戻して安打を量産し、状況判断に応じた打撃に磨きを掛けられるか。28歳とこれから脂がのり切る時期で、くすぶっているのはもったいない。侍ジャパンでサポートメンバーの経験を、成長の糧に出来るか。
(中町顕吾)