問題児ネリ、井上尚弥を「倒せる」と挑発 対戦したらどうなる?識者が指摘する「弱点」

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   プロボクシング元世界2階級制覇のルイス・ネリ(メキシコ、28)が2023年2月18日(日本時間19日)にWBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦に出場する。同級2位アザト・ホバニシアン(アルメニア、34)と対戦する。

   勝者は指名挑戦者としてWBC・WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(米国、28)への挑戦権を得る。

  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
    井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)

「井上と戦う準備はできている」

   フルトンは次戦で元世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、29)と対戦する可能性が高く、米スポーツ専門局「ESPN」(WEB版)は井上、フルトン両陣営が対戦に合意し5月の日本開催を目指していると報じた。対戦が実現し井上が王座を獲得すれば、ネリも対戦候補のひとりに挙がる。

   ネリは決戦を前に米ボクシング専門誌「ザ・リング」(WEB版)の取材に応じ、挑戦者決定戦勝利を前提として井上戦を猛アピールした。

   「私はいつも井上と戦いたいと言ってきた。彼は誰もが考える怪物ではない。彼を倒すことができる」と挑発し、「戦う準備はできている。日本でもアメリカでもどこであれその戦いが起こると確信している」と語った。

   井上とネリの対戦は実現するのか。ネリは井上に勝てるのか。J-CASTニュース編集部は、プロボクシングTMKジムの金平桂一郎会長(57)に分析してもらった。

「私はネリ選手の過去の言動などからあまり評価はしていません。ただ今回の挑戦者決定戦で勝利し、井上選手がフルトン選手と対戦してWBCの王座を獲得した場合、ネリ選手は指名挑戦権を持っているわけですから井上選手との対戦を要求するのは説得力があります。筋が通っていると思います」

「ネリ選手はディフェンスに難が」

   ネリは17年8月にWBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)をTKOで破り王座を獲得。18年3月の再戦では前日計量で体重を超過し王座をはく奪された。その後、スーパーバンタム級に転向し20年9月にWBC同級王座を獲得。21年5月にWBA同級王者ブランドン・フィゲロア(米国、26)と王座統一戦を行い、7回KO負けを喫した。

   スーパーバンタム級転向後の戦績は3勝(1KO)1敗。通算は33勝(25KO)1敗。金平会長は世界2階級を制覇したネリの実力を次のように分析した。

「ネリ選手はスーパーバンタム級で4戦やっていてアジャストしているように見えます。攻撃力があり、はまれば強い。良いパンチが一発当たれば次から次へと波状攻撃をし、1発では終わらない。実績もありますし、挑戦者決定戦に勝てばスーパーバンタム級のトップファイターといってもいいでしょう」

   金平会長は一定の評価を与える一方で、「ネリ選手はディフェンスに難があり、フィゲロア選手にボディーで倒されたこともあるので一定の弱点がある。井上選手と対戦するとなったら井上選手が有利でしょう。ただネリ選手のペースにはまった場合、十分怖い選手であることは確かです」と解説した。

   そして両者のボクシングスタイルから対戦が実現すれば「かみ合う」と予想した。

   金平会長は「井上選手とネリ選手が対戦するとすればスタイル的に両者の相性は良いと思います」とし、「井上選手にとってフルトン選手よりやりやすいでしょう。フルトン選手は穴がない選手。怖さもあまりないが、弱点も特に見当たらない。嫌な選手ですね。ネリ選手の攻撃力はフルトン選手よりも上かもしれないが、フルトン選手のようなズルさがない。だから捕えやすい。非常にかみ合うと思います」と解説した。

姉妹サイト