「ネリ選手はディフェンスに難が」
ネリは17年8月にWBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)をTKOで破り王座を獲得。18年3月の再戦では前日計量で体重を超過し王座をはく奪された。その後、スーパーバンタム級に転向し20年9月にWBC同級王座を獲得。21年5月にWBA同級王者ブランドン・フィゲロア(米国、26)と王座統一戦を行い、7回KO負けを喫した。
スーパーバンタム級転向後の戦績は3勝(1KO)1敗。通算は33勝(25KO)1敗。金平会長は世界2階級を制覇したネリの実力を次のように分析した。
「ネリ選手はスーパーバンタム級で4戦やっていてアジャストしているように見えます。攻撃力があり、はまれば強い。良いパンチが一発当たれば次から次へと波状攻撃をし、1発では終わらない。実績もありますし、挑戦者決定戦に勝てばスーパーバンタム級のトップファイターといってもいいでしょう」
金平会長は一定の評価を与える一方で、「ネリ選手はディフェンスに難があり、フィゲロア選手にボディーで倒されたこともあるので一定の弱点がある。井上選手と対戦するとなったら井上選手が有利でしょう。ただネリ選手のペースにはまった場合、十分怖い選手であることは確かです」と解説した。
そして両者のボクシングスタイルから対戦が実現すれば「かみ合う」と予想した。
金平会長は「井上選手とネリ選手が対戦するとすればスタイル的に両者の相性は良いと思います」とし、「井上選手にとってフルトン選手よりやりやすいでしょう。フルトン選手は穴がない選手。怖さもあまりないが、弱点も特に見当たらない。嫌な選手ですね。ネリ選手の攻撃力はフルトン選手よりも上かもしれないが、フルトン選手のようなズルさがない。だから捕えやすい。非常にかみ合うと思います」と解説した。