IT企業ミンカブ・ジ・インフォノイドは2023年2月14日、実業家の堀江貴文氏が子会社ライブドアのアドバイザーに就任し、ユーチューブでのニュース解説を担うと発表した。
ライブドアの運営するユーチューブチャンネルは、「ゲーム実況」動画が大半で、専門家が解説する独自のスタイルが好評を博していた。この日には、運営を担当していた人気社員2人の退職も発表され、視聴者に混乱が走っている。
書籍化されるほどの注目チャンネル
ミンカブの発表によれば、堀江氏はライブドアのエグゼクティブ・アドバイザーに就任し、まずはメディア事業「ライブドアニュース」とのコラボレーションを始める。
ライブドアニュースが運営するゲームチャンネル「ゲームさんぽ/ライブドアニュース」への出演を予告し、実際に14日には「【堀江の一本】マイナンバーカードって何のために使われるの?堀江貴文に聞いてみた」と題した時事解説動画が公開された。説明欄には「ライブドアニュース編集部があらゆるニュースの中から選んだ『一本』を堀江貴文さんに解説していただきます」とあり、シリーズ展開するとみられる。チャンネル名からは「ゲームさんぽ」が外れた。
「ゲームさんぽ」は登録者数40万以上、総視聴数は約1億の人気チャンネルだ。ユーチューバーのなむさんが17年に、ゲームをその分野の専門家が解説する形式を考案、19年からライブドアニュースがコラボを始めた。
これまでに『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』×気象予報士、『天穂のサクナヒメ』×お米ソムリエ、『あつまれ どうぶつの森』×美術館学芸員などが公開され、22年3月には書籍化された。
堀江氏の就任発表当日には、動画にも出演していた担当社員のいいださん、マスダさんの2月末での退職も明かされた。2人がそれぞれ公表した。いいださんは「ゲームさんぽの看板を下すことにしたようです。不快に感じた方も多いかと思い、大変申し訳ない気持ちですが、この決定については私も今日知らされました」と複雑な心境を吐露している。
堀江氏「ライブドア運営が勝手にやった事だろ」
一連の交代劇は、ツイッターで関連ワードがトレンド入りするほど注目を集めた。「登録解除」もランクインし、13日には40万2000いた登録者が15日夜時点で38万に減っている。
いいださんは、2人の退職時期が被ったのは偶然だったとする。円満退社だと強調し、ゲームさんぽの企画は個人的に続ける意向を明かした。マスダさんも退職の経緯をツイートし、学生時代に目指していたゲーム業界に再挑戦するという。
2人が撮り貯めた動画は数本あり、5月ごろまではライブドアのチャンネルで定期的に公開される。
堀江氏はツイッターで、寄せられた批判に「ライブドア運営が勝手にやった事だろ。おれは知らんがな」と困惑気味に返答している。堀江氏も自身のユーチューブチャンネルを持ち、登録者数は160万人を数える。ニュース解説が中心コンテンツで、ライブドアともニュース動画の配信契約を結んでいると明かした。
いいださんも「本当に堀江さんは1mmも悪くなくて、本当に編集部側が土下座しなくちゃいけないような案件」と堀江さんを擁護している。
ミンカブは15日夜に声明を発表。チャンネル名変更の経緯を以下のように説明した。
「これまで『ゲームさんぽ』『おしごとさんぽ』など、幅広い題材を専門家の方々に解説していただく動画を作ってきました。今後はこれまでの取り組みに加え、さらに多岐にわたるジャンルの動画を制作し、多くのユーザーの方々に楽しんでいただけるようにしてまいります。そのため、チャンネル名は今後のコンテンツ拡充を視野に入れ、媒体名である『ライブドアニュース』に変更いたしました。なお、過去に公開された『さんぽ』動画が削除されることはございません」
発表では、「堀江氏は投稿されるチャンネルの名称、及びチャンネル内の他の動画には関与しておりません」とも伝えている。
J-CASTニュースはミンカブに15日午前、取材を申し込んだが、同日20時までに返事はない。