楽天・田中将大が、2023年3月30日の日本ハム戦(エスコンフィールド北海道)で、開幕投手を務めることが決まった。球団の公式SNSなどで13日に発表された。
「日米通算200勝まであと10勝」
田中にとって、北海道は特別な地だ。駒大苫小牧で2年夏に甲子園制覇、3年夏は早実との決勝で斎藤佑樹(元日本ハム)と高校野球史に残る投手戦の末に延長再試合となり、準優勝。ドラフト1位で楽天に入団すると、球界を代表する投手へ一気に駆け上がった。
メジャーでもヤンキースで6年連続2ケタ勝利をマーク。だが、楽天で日本球界復帰後は21年に4勝、昨季は9勝と悔しい結果に終わった。
スポーツ紙記者は
「開幕投手は則本昂大、岸孝之の選択肢があった中で、石井監督が田中を指名したのは、大黒柱として1年間先発ローテーションで頑張ってほしいというメッセージが込められていると思います。敵地ですが、新球場で歴史的な試合に一番ふさわしい投手であることももちろん影響している。日米通算200勝まであと10勝ですが、そこは最低ライン。相手球団のエースに投げ勝って、12、13勝しないと優勝には届かない」
と期待を込める。
ソフトバンク、オリックスの2強に食い込めるか
昨年は25試合登板で9勝12敗、防御率3.31。リーグワーストの黒星で貯金を作れなかった現実に、田中本人が一番責任を感じていただろう。
チームは3,4月に月間16勝6敗と大きく勝ち越して首位を快走していたが、5月以降は下降線をたどり、Bクラスの4位とCS進出すら叶わず。田中も5月17日のロッテ戦(ZOZOマリン)から自己ワーストの6連敗を喫し、負のスパイラルを変えられなかった。
今年は春季キャンプで投球フォームの改造に取り組むなど、並々ならぬ決意で臨んでいる。今年のパリーグはリーグ3連覇を狙うオリックス、大型補強を敢行したソフトバンクの「2強」という見方が強いが、楽天も投打でタレントを擁している。田中の右腕に掛かる期待は大きい。(中町顕吾)