ガンダム「水星の魔女」BPO審議入りは誤り、広報も否定 ではなぜ議論に?委員会の仕組み解説

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「議論」→「討論」→「審議」→「委員会の考え」or「見解」or「要望」or「提言」or「委員長談話」

   しかし、水星の魔女が審議された事実はない。BPO広報が取材に答えた。

   広報の話やBPOのウェブサイトによれば、青少年委員会は次の流れで話し合う。

   まず、「青少年が視聴するには問題がある、あるいは、青少年の出演者の扱いが不適切だなど視聴者意見で指摘された番組」について、毎月の委員会で「議論」する。意見の選定基準は非公表。

   その中で、問題のある可能性がある番組は「討論」に進む。水星の魔女が俎上に載った1月の委員会では「大きな議論はなく『討論』に進むものはありませんでした」としている。つまり、水星の魔女の議論はこの場で"打ち切り"されている。

   議論の対象になったアニメは過去に多数ある。21年には、人気アニメを映画化した「『鬼滅の刃』無限列車編」とみられる作品が3か月に及ぶ議論になった。視聴者から「グロテスク」などと意見があり、委員からも懸念があったが、「人間のようなモンスターと捉えれば許容範囲では」「PG12指定(12歳未満は保護者の助言・指導が必要)の映画を21時台に編成しており、配慮がうかがえた」との意見が出て議論は終了した。

   「討論」された番組の一部は「審議」入りとなる。この段階になるとメディアの注目も高まり、報道されやすくなる。放送局の制作担当者と意見交換をするなどして「委員会の考え」をまとめ、委員の3分の2以上の賛成があれば委員会の「見解」となる。いずれも公表され、後者は放送局に検討結果の報告を求める。そのほか、「要望」「提言」「委員長談話」との名での発出もある。22年4月には、「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」への見解を公表した。

   BPOには青少年委員会以外にも、取材・制作のあり方や番組内容について問題がないか調査する「放送倫理検証委員会」と、放送で名誉、プライバシーなど人権侵害を受けたとの申立てを受けて審理する「放送人権委員会」がある。

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