「燃え尽きたというよりやり切ったという達成感」
「この職業でしか経験できないような貴重なことを経験させてもらっています。覚えることがたくさんありますが毎日が新鮮で楽しいですね。イベントなどで選手が直接ファンの方と接する場面をみていると、この仕事に就いて良かったなと思います。でもまだ慣れないことが多く、ついていくので必死です」
現役時代、32歳で通信制の高校に入学し3年かけて高校卒業の資格を取得した努力家は、26年間の土俵生活をこう振り返った。
「悔いはないです。燃え尽きたというよりやり切ったという達成感ですね。達成感がないまま終えてしまったらどこかしらに悔いが残ると思います。やり切って良かったです。番付がどこだろうがやり切ることを目標にしてきましたから。そこで引退したら悔いが残らないだろうと思っていましたから」
最後の番付は序二段だった。
頭の上のマゲがなくなった今も悩みは変わらず体重だという。現役時代は体重が増えずに苦労したが、今では体重が減らずに苦労している。115キロある。
「引退してから体重があまり変わっていないんです。食べる量は減ったと思いますが、普通の人からしたら多いかもしれません。筋肉だけ落ちて体重があまり落ちていないのでよろしくないですね。40歳を過ぎましたし、これからは健康に気を付けて生活したいと思います」
甘利氏の第2の人生は始まったばかりだ。