餃子用タレの容器の中で虫が数匹動く様子を撮った動画がユーチューブに投稿されており、そのことを女性誌が運営会社に取材したうえでウェブ版記事にした。
この報道を受けて、同社は2023年2月9日、公式サイトにお知らせを出し、事実確認はできなかったものの、類似のケースがあったと認めた。そのうえで、同様のことが発生した店に対し、今後は厳正に対処する方針を明らかにした。
「類似する事案が当社のフランチャイズ店にて発生」
タレ容器の透明なビンの中で、空洞部分の内壁に白っぽい小さな虫が数匹貼り付いて動いている。
こんな様子を撮った動画が、2022年10月に訪れた餃子の王将の店であったことだとして、同月中にユーチューブに匿名で投稿された。
投稿者によると、虫に気づかず、餃子にタレをかけて食べてしまったという。その後に気づいて、店長を呼ぶと、謝罪されて、新しい容器のタレと餃子に交換して終わった。しかし、投稿者は虫の正体が気になり、保健所にも行ったが、映像だけでは分からないと言われたといい、投稿を通じて情報提供を呼びかけている。
この投稿について、週刊女性が23年2月9日、「中華料理チェーン店『餃子の王将』タレ容器の中に虫が...SNS動画の指摘に王将フードサービス『すべて廃棄』、専門家は『ふたに産卵したケースがある』」のタイトルでウェブ版の記事にした。
餃子の王将の公式サイトでは9日、「Webニュースで報じられた件につきまして」と題して、運営会社の王将フードサービス名でお知らせを出し、週刊女性の取材に答えたのとほぼ同じコメントをした。
そこでは、「報じられた動画のみでは事実確認をできないところもございますが、当該動画が投稿された時期、内容に類似する事案が当社のフランチャイズ店にて発生した事実を確認しております」と明かした。
そのうえで、同社は、次のように経過を報告した。
タレ容器に虫には、「他に発生していないことを確認した」
「当該フランチャイズ店にて発生した事案については、すぐにタレ瓶を交換させていただいた上で、当該店舗の店長よりご指摘をいただいたお客様にお詫びをさせていただきました。また発生日の翌日に保健所へ報告の上、当該店舗で使用中であった酢醤油などを全て廃棄し、容器・皿等につきましても全て再洗浄し衛生管理を徹底いたしました。その後、調味料・タレ類の保管方針についても説明を行い、保健所からは、当該店舗の衛生管理状態は問題ないとの確認をいただいております」
そして、店舗での衛生対策については、こう説明した。
「当社では日頃より、清掃や店舗衛生に関するマニュアルや通達を全店舗(フランチャイズ店を含みます。)に周知し、全社を挙げて衛生管理に取り組んでおります。カスターセット、タレ瓶については、定期的に洗浄し、十分に乾燥させてから使用すること、調味料・タレ類については、営業終了後は他の容器に移し替えて蓋・ラップをして冷蔵庫で保管することを通達に具体的に明記しております。なお、上記事案を受け、改めて全店舗においてタレ瓶等の衛生チェックを行い、上記事案のような事態が他に発生していないことを確認いたしました。その後、マニュアル・通達の遵守状況の本社チェック頻度の見直し及びタレ瓶等の洗浄頻度の見直しを行い、より一層衛生管理を強化・徹底しています」
最後に、「当社は、こうした取り組みをフランチャイズ店を含めた全店舗で徹底することにより、害虫の発生を確実に防止してまいります」と強調し、女性誌記事へのコメントより踏み込んで、こんな方針を示した。
「今後、万一、本事案と同様の事象が発生した場合は、発生した店舗、フランチャイズ店舗の場合はフランチャイズオーナーに対して、厳正に対処いたします」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)