高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
所得制限撤廃が浮上した児童手当、国際比較から見た「正解」とは?

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少子化対策に決定版はまずない

   国際比較から見た児童手当の正解は、所得制限なしと児童税額控除の組合せで、それらの一元化である。

   ただし、このように児童手当の所得制限を撤廃しても、少子化対策の効果はほとんど期待できない。というのは、先進主要国ではそうした制度になっており、子育て環境の向上になるが、少子化の歯止めにはほとんどなっていないからだ。

   少子化対策ではいろいろな施策が主張されるが、決定版はまずない。

   人口減少しても、一人あたりGDPで見る限り、必ずしも低下するとは言い難い。世界中で人口減少している国は30ヶ国程度あるが、一人あたりGDPが成長している国も少なくない。端的にいえば、人口減少してもITやロボットでかなりの程度補えるので、人口を増やすという発想から脱し、人口減を所与として、その対応策を考えたほうがコスト・パフォーマンスがいいのではないか。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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