若狭勝弁護士「死刑はありえる」が...「分析に時間がかかると思います」
強盗殺人に関与した疑いも報じられており、電話が事実なら、今村容疑者は、そのことを知って、厳しい量刑を意識したものとみられる。
今村容疑者らが今後、同罪に問われるなどして、死刑になることは考えられるのだろうか。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は2月7日、J-CASTニュースの取材に、次のような見方を示した。
「強盗殺人は、死刑か無期懲役しかありません。1人殺害でも、他の強盗傷害や特殊詐欺などと抱き合わせれば、死刑はありえると思います。主犯格以外を含めて、無期もありえますね。しかし、裁判員裁判になりますので、相当しっかり捜査しないといけないでしょう。証拠が弱いと難しくなります」
そのためにも、特殊詐欺事件で4人をきちんと起訴することが大事だと若狭氏は強調する。
「窃盗の逮捕状は、だいぶ前から取られていて、証拠はそこそこあると思いますので、起訴の可能性は高いでしょう。強盗事件と基本的な指示の構図は同じでしょうから、共犯の役割分担や指示系統を明確にして起訴することが今後の事件解明の礎になると思います」
とはいえ、強盗事件については、かなり難易度が高い捜査になるとみる。
「携帯電話が使われたのは、フィリピンでの話になりますので、誰から入手したかなどフィリピン警察の協力が必要です。それがおぼつかないようでは、テレグラムを使ったやり取りをどれだけ復元し、分析できるか保証の限りではありません。また、どの携帯が犯行に使われ、誰が使って指示したのか、という問題もあります。携帯の使い回しをしている可能性があり、ルフィやキムが誰なのか、分析に時間がかかると思いますね」
もし強盗事件を解明できず、特殊詐欺事件だけで起訴されれば、最高で懲役20年の実刑判決になって、4人が早期に刑務所から出所する可能性も出てくるとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)