デジタル製品の開発・製造・販売を手掛けるアンカー・ジャパン(東京都千代田区)は2023年2月7日、モバイルバッテリー「Anker 535 Power Bank(PowerCore 20000)」が発火するケースが国外で数件発生したとして、同製品を回収・返金すると公式サイトで発表した。同日時点では、日本で発火したケースはないという。
「本事象による発火は日本では発生しておりません」
「Anker 535 Power Bank (PowerCore 20000)」は22年11月17日から順次販売開始した。返金金額は税込9990円になる。背面底側に上記製品名が書かれており、2行目の品番に「A1366」と記載されていれば、回収対象商品になる。
同社は「2023年1月、Ankerグループ本社より国外で本製品が発火する事象が数件発生した旨の報告が届き、Ankerグループのグローバル全体で販売を停止」したと経緯を説明。原因究明に向けた調査で、「設計上ならびに製造過程の不備が見つかった」とし、グループ全体での自主回収を決定したという。
発火の原因については次のように説明している。
「製造過程において、温度検知をするための部品 (NTC サーミスタ) の接着剤が完全に硬化しきる前に本体の組み立てを行ってしまったため、電池セルと外装ケースの間にNTCサーミスタが挟まれてしまい、固定位置のずれが起こりえる状況が発生。他の弊社製品と異なり、NTCサーミスタの配置が背面のため、適切な位置からのずれが起こりやすく、目視での網羅的な検品が不十分であった一部個体において、内部短絡が起こりえる状態で出荷がなされた」
「本事象による発火は日本では発生しておりません」「本製品固有の設計および製造過程の不備により発生した事象のため、他の弊社製品に再現性はございません」と状況を述べ、今回の製品はグループ全体で製造・販売を停止したとした。
再発防止へ「委託先の製造工場の管理体制および社内での検品体制の更なる厳格化を迅速に進めております」とし、「弊社製品をご愛用いただいている皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけ致しますことを心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。オンラインと電話受付(0120-567-845)で、製品回収と返金の手続きを行っているとしている。
同社広報は2月7日、J-CASTニュースの取材に対し、具体的な発生件数について「グルーバルで数件という報告を受けておりまして、明確に何件かはお答えしかねます」と回答。利用者への対応については「オンラインは24時間、電話受付は平日9時から17時まで対応させて頂きます」と答えている。