「裏垢女子」は法人運用だった?高収入うたい女性募集 疑惑の企業は釈明「名義貸しだった」

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   性的な写真や動画を投稿するSNSアカウントの運用に、法人が関わっていたとの情報が拡散している。大手クラウドソーシングサイトで、「裏垢(アカ)女子」の求人が見つかったためだ。

   この企業の自社サイトでは、取引実績として上場企業や教育機関の名前が連なっている。SNSでのわいせつ画像投稿で逮捕者も出ているが、事実なのか。

  • クラウドワークスより
    クラウドワークスより
  • 募集ページ(現在は削除)
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収入実績は月500万~1000万円とも

「【高報酬!女性限定!】裏垢女子として活動をしてお金を稼ぎたい方必見!(実績多数のサポート体制あり!)」

   こんな求人が2023年1月下旬、大手クラウドソーシングサイト「クラウドワークス」に掲載された。

   募集要項には、「Twitterでよくある『裏垢女子』として、各種SNSにてコンテンツを日々投稿していただきます。TwitterやTikTok、Instagram等のSNSを活用してフォロワーを伸ばしてから、ファンクラブで動画等を販売してマネタイズしていきます」と書かれている。

   自身の性的な写真や動画を投稿することを目的としたSNSアカウントは、一部で「裏アカ女子」と呼ばれる。参考として示しているツイッターアカウントを確認すると、下着姿の写真や性行為中の動画を繰り返し投稿しており、別のサイトでは販売もしていた。

   具体的な仕事の内容は「全てこちらから詳細の指示があり、サポートもしっかりさせていただく」としており、「最低月に1回の撮影だけでもOKなので、『あんまり時間がない...』という方でも全然問題ありません!」と勧誘している。

   実際の運用実績として3人の女性の収入を公開しており、月500万~1000万円を受け取るケースもあるという。

ディレクター、モザイク処理担当も

   募集者はIT企業を名乗っており、「映像制作を主軸とした多彩なサービスを展開しています」と自己紹介している。

   多くの有名企業をクライアントに持つと喧伝しており、掲載されていた会社のホームページを見ると日本を代表する上場企業や教育機関の名が取引実績にあった。

   求人はツイッターで注目を集めた。個人運営が主流とみられていた「裏アカ女子」を、大企業とも取引しているIT企業が事業化していたことへの驚きだ。騒動後、募集ページは削除され、掲載していた会社のリンクもなくなった。

   「裏アカ女子」をめぐっては、事件にもなっている。ツイッターの裏アカウントを通じて無修整のわいせつ動画をダウンロードさせたとして、22年11月に男がわいせつ電磁的記録等送信頒布などの疑いで逮捕された(朝日新聞、「ツイッター『裏アカ』使い無修整動画を送った疑い 造園業の男逮捕」)。

   この会社の求人は、別のクラウドソーシングサイト「ランサーズ」でも見つかった。「有名youtuberの動画編集」「食品ロス対策用の動画制作業務」「学校紹介動画のナレーション業務」など健全そうな案件に紛れて「裏アカ女子」事業のディレクター業務や、成人向け動画のモザイク処理も募集していた。

   「裏垢女子」をビジネスとするプレーヤーは一定数いるようだ。クラウドワークスで「裏垢(アカ)女子」を含む仕事を検索すると、約200件も見つかる。

   "中の人"の募集以外にも、

「【18~30歳までの女性限定】胸・脚が強調されている写真を頂ける方を募集します」
「SNSで女性と出会う方法を探している男性向け文章を募集しております」

と多岐にわたる。写真素材は女性から購入し、投稿文やフォロワーとのやり取りは男性が担当――こんな実態もありそうだ。

「実績を盛りまくるのは正直スタンダード」

   会社の社長は2月6日、J-CASTニュースの取材に、自社は関与しておらず、取引先が実施していたと打ち明ける。

「弊社はフリーランスの方に案件を取りやすいようにと名義貸しをしていました。弊社が盾となることで動画制作の案件が取りやすいようにするためです。クラウドソーシングのステータスを貸している状況でした」

   ランサーズも同様で、フリーランスがクラウドソーシングサイトを通じて映像制作業務を受注すれば手数料を得ていたという。依頼人を騙す行為とも映るが、「フリーランスの方が実績を盛りまくるのは正直スタンダード」「本当は関わっただけなのに自分が作りましたと言ってしまったり。クラウドソーシング上でも常習化しているところはある」とする。

   今回の騒動でリスクが顕在化し、「弊社の実績を他社に貸すのは止めよう」と名義貸しは止めたとする。

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