ディレクター、モザイク処理担当も
募集者はIT企業を名乗っており、「映像制作を主軸とした多彩なサービスを展開しています」と自己紹介している。
多くの有名企業をクライアントに持つと喧伝しており、掲載されていた会社のホームページを見ると日本を代表する上場企業や教育機関の名が取引実績にあった。
求人はツイッターで注目を集めた。個人運営が主流とみられていた「裏アカ女子」を、大企業とも取引しているIT企業が事業化していたことへの驚きだ。騒動後、募集ページは削除され、掲載していた会社のリンクもなくなった。
「裏アカ女子」をめぐっては、事件にもなっている。ツイッターの裏アカウントを通じて無修整のわいせつ動画をダウンロードさせたとして、22年11月に男がわいせつ電磁的記録等送信頒布などの疑いで逮捕された(朝日新聞、「ツイッター『裏アカ』使い無修整動画を送った疑い 造園業の男逮捕」)。
この会社の求人は、別のクラウドソーシングサイト「ランサーズ」でも見つかった。「有名youtuberの動画編集」「食品ロス対策用の動画制作業務」「学校紹介動画のナレーション業務」など健全そうな案件に紛れて「裏アカ女子」事業のディレクター業務や、成人向け動画のモザイク処理も募集していた。
「裏垢女子」をビジネスとするプレーヤーは一定数いるようだ。クラウドワークスで「裏垢(アカ)女子」を含む仕事を検索すると、約200件も見つかる。
"中の人"の募集以外にも、
「【18~30歳までの女性限定】胸・脚が強調されている写真を頂ける方を募集します」
「SNSで女性と出会う方法を探している男性向け文章を募集しております」
と多岐にわたる。写真素材は女性から購入し、投稿文やフォロワーとのやり取りは男性が担当――こんな実態もありそうだ。