「釜玉ラーメン」は定番食になるか 「卵と麺」シンプルさで専門店続々...識者「家庭でも浸透の可能性」

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「釜玉うどん」並みに定着する?

   1000円超のラーメンもある時代で、1杯490円~という安価な値段設定も特徴だ。小宮氏は「食材価格高騰の中、業界全体が値上げを余儀なくされています。お手軽な価格帯での商品提供にビジネスチャンスがあると思っています」と話す。大学卒業後、「ユニクロ」などを手がけるファーストリテイリングで勤務していた小宮氏。「適正価格で高品質」はいつだって支持される――。そんな「ユニクロ流」の勝利の方程式が「脳内に刷り込まれているのかもしれない」と笑う。

   オープン後の反響については「とても好評を頂いていると実感しています。もっと近くに店舗が欲しいといったお声も頂戴しています」と話す。去年11月には東京・蒲田に2号店を出店。今後は関東圏内で3店舗の出店を見込んでいるという。

   「釜玉化」の波は日本各地に押し寄せている。「ナポレオン軒」の開店後、埼玉県や福島県にも釜玉中華そば(ラーメン)の専門店が出現。東京のラーメン店でも、メニューとして「釜玉」を提供する店舗が出てきている。

   提供店舗が増えている理由について、ラーメン店などの飲食店を取材してきたフードライターの笹木理恵氏は2月1日、スープを重要とする通常のラーメンと比べて「オペレーションが簡潔で原価も安い」「スタッフの技量による味のブレが少ない」ことや「作り方が簡単でどんな店でも取り入れやすい」点などを指摘する。

   「釜玉」のルーツとなった釜玉うどんは、釜揚げうどんと卵を組み合わせた造語だ。香川県のうどん店が発祥と言われ、全国チェーンの「丸亀製麺」「はなまるうどん」でもレギュラーメニューとして提供されるなど、日本人にとってなじみ深い料理になっている。

   笹木氏は「シンプルな食べ方で、具を用意する手間も省けるため、家庭でのラーメンの食べ方の選択肢のひとつとして浸透する可能性はあるかもしれません」と話す。「釜玉ラーメン」が日本の定番食になる日も、そう遠くはないのかもしれない。

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