命綱と一目で分かる「子ども用ハーネス付きリュック」話題 批判意見に「安全対策は親の愛情」...発案者の思い

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   飛び出しによる事故などから子どもの安全を守る「子ども用ハーネス」。迷子防止紐などとも呼ばれるこのグッズだが、便利だという肯定的な声が多い一方、「まるでペットのようだ」といった否定的な意見もあるとメディアで報じられることがある。

   こうした中、雑貨通販サイト「ヴィレッジヴァンガードオンラインストア」で、子どもの安全対策として使っていることが一目で分かるデザインの「子ども用ハーネス付きリュック」が販売されて話題に。SNS上では「素敵なアイデアだからほしい」などの声が上がっている。

   発案者で漫画家の西野みや子さんは、「たくさんの方にハーネスの存在を知ってもらい、好きなデザインの物を気兼ねなく使える社会になりますように!」と呼びかけている。子ども用ハーネスに対する思いについて、J-CASTニュースは2023年2月3日、西野さんに詳しい話を聞いた。

  • 子ども用ハーネス付きリュック(西野みや子さん提供)
    子ども用ハーネス付きリュック(西野みや子さん提供)
  • 子ども用ハーネス付きリュック(西野みや子さん提供)
    子ども用ハーネス付きリュック(西野みや子さん提供)
  • 子ども用ハーネス付きリュック(西野みや子さん提供)
    子ども用ハーネス付きリュック(西野みや子さん提供)
  • 子ども用ハーネス付きリュック(西野みや子さん提供)
    子ども用ハーネス付きリュック(西野みや子さん提供)
  • 子ども用ハーネス付きリュック(西野みや子さん提供)
  • 子ども用ハーネス付きリュック(西野みや子さん提供)
  • 子ども用ハーネス付きリュック(西野みや子さん提供)
  • 子ども用ハーネス付きリュック(西野みや子さん提供)

「かわいいし、子供の命を守るものだからベストなデザイン」

   ヴィレッジヴァンガードオンラインストア公式ツイッターは2月1日、「誰が見ても安全対策のためだとわかり、デザインと仕様にもこだわった」商品として、子ども用ハーネス付きリュックを販売したと投稿した。

   リュックは工事現場で使われる安全第一ヘルメットをモチーフにし、迷子防止紐はイエローとブラックの紐が編まれた警告色のロープをモチーフにしている。2月1日10時から2月5日まで販売されており、23年6月に配送されるという。価格は税込8800円だ。

   この投稿は2100件以上のリツイートを集めるなど話題になり、「素敵なアイデアだからほしい」「かわいいし、子供の命を守るものだからベストなデザイン」などの声が寄せられている。

   この商品を発案したのは、2歳の子どもを育てる母親で漫画家の西野みや子さんだ。上記の投稿に対し、西野さんは「お子様とは手を繋いでいただき、ハーネスは『命綱』としてご使用いただきたいです」とリプライを送り、商品を販売するまでの経緯を説明した文章のURLを添付した。

   西野さんがウェブサイト「note」に掲載した1月27日付の文章によると、クラウドファンディングサイトで支援金を募って開発された商品なのだという。西野さんは「たくさんの方にご支援いただき、本当にありがとうございます」と感謝を述べている。

「周りの目を気にしないといけないということに不安や苛立ち」

   子ども用ハーネスを作ったきっかけについて、西野さんは次のように記している。

「2021年11月に何度目かの子ども用ハーネスがSNSでトレンドに上がりました。嫌な思いをしている方の大半がお散歩中に心無い言葉をかけられたというもの。私には当時1歳半の息子がいたのですが、『命綱』や『安全対策』として使っているにも関わらず、周りの目を気にしないといけないということに不安や苛立ちを感じていました」

   西野さんは子ども用ハーネスを使う目的を説明しなくても伝わるようなデザインを考えた。21年11月、今回の商品の元になったイラストをツイッターに投稿。「使いたい」「ほしい」「応援します」などの声が寄せられ、大きな話題になった。

   実際に商品化しようと考えた西野さんは、いくつかのメーカーに声をかけたものの、実現できなかったという。こうした中、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」から声がかかった。西野さんは、当時の心境について「私にこんな大きなことが成し遂げられるのかなと朝から晩まで悩みました」と明かしている。

   そして、22年12月16日にプロジェクトを開始した。西野さんの不安もつかの間、目標金額の60万円は30分で達成したという。プロジェクトが終了する22年1月29日、支援金額は600万円を超えていた。

   西野さんは、商品の特徴について、(1)見ただけで使用目的が安全対策であると伝わるデザイン(2)車から目立ち、安全ベストのような印象を与える肩紐の反射材(3)蒸れやすい場所に採用されたメッシュ生地――などを挙げている。

「子ども用ハーネスは万が一の時の『命綱』として活用してほしい」

   子ども用ハーネスにどのような思いがあるのか。西野さんは2月3日、今回の販売を通して「誰もが好きなデザインの子ども用ハーネスを周りの目を気にすることなく使える社会になれば良いなと思っています」と取材に述べた。

   商品化のきっかけとなったイラストを投稿した21年11月、当時は「子どもが歩くようになってしばらく経ち、ちょうど子ども用ハーネスを検討している時期」だったという。横断歩道で待っている間に車道に飛び出そうとしたり、歩道を通る自転車にぶつかりそうになったりすることがあり、子ども用ハーネスの必要性を感じていたと、西野さんは述べた。

   「子どもをペット扱いしている」といった批判的な意見に対し、西野さんは「私は安全対策は親の愛情だと思っています。だからこそ、非難されるのは悲しいですね」と感想を明かす。また、子ども用ハーネスを使う時の注意点について、西野さんは「お子様とはしっかり手を繋いでいただき、子ども用ハーネスは万が一の時の『命綱』として活用してほしいです」と呼びかけている。

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