「周りの目を気にしないといけないということに不安や苛立ち」
子ども用ハーネスを作ったきっかけについて、西野さんは次のように記している。
「2021年11月に何度目かの子ども用ハーネスがSNSでトレンドに上がりました。嫌な思いをしている方の大半がお散歩中に心無い言葉をかけられたというもの。私には当時1歳半の息子がいたのですが、『命綱』や『安全対策』として使っているにも関わらず、周りの目を気にしないといけないということに不安や苛立ちを感じていました」
西野さんは子ども用ハーネスを使う目的を説明しなくても伝わるようなデザインを考えた。21年11月、今回の商品の元になったイラストをツイッターに投稿。「使いたい」「ほしい」「応援します」などの声が寄せられ、大きな話題になった。
実際に商品化しようと考えた西野さんは、いくつかのメーカーに声をかけたものの、実現できなかったという。こうした中、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」から声がかかった。西野さんは、当時の心境について「私にこんな大きなことが成し遂げられるのかなと朝から晩まで悩みました」と明かしている。
そして、22年12月16日にプロジェクトを開始した。西野さんの不安もつかの間、目標金額の60万円は30分で達成したという。プロジェクトが終了する22年1月29日、支援金額は600万円を超えていた。
西野さんは、商品の特徴について、(1)見ただけで使用目的が安全対策であると伝わるデザイン(2)車から目立ち、安全ベストのような印象を与える肩紐の反射材(3)蒸れやすい場所に採用されたメッシュ生地――などを挙げている。