「発禁処分を受けたと誤解される」 知られざる「不健全図書類」の実態...マンガ家ら改称熱望

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陳情を受けた都議の反応は

   取材中、森川さんと星崎さんは、自民党と日本共産党、都民ファーストの会の担当者に陳情を行った。

   自民党の鈴木純氏は、「個人としては陳情を断る理由がない」と話す。

「不健全図書類の指定については、これまであまり話題になってこなかったと思います。『不健全図書類』という名前が18歳以上への売り上げにも影響してしまうのであれば、見直しが必要だと感じます」

   日本共産党の和泉なおみ氏、戸谷英津子氏、藤野章子氏は、現段階で党としての方針は示せないとしながらも、約40分に渡ってマンガ家の声に耳を傾けた。都民ファーストの白戸太郎氏は、「時代錯誤な条例は一つ一つ見直していく必要がある」などと話した。

   星崎さんは、多くの党が陳情に対して好意的だったと手ごたえを述べた。取材後も、立憲民主党、ミライ会議、公明党を回ったという。

「立憲民主党は、迎えてくれた人数も多く、好意的に感じられました。阿部祐美子都議は役所との具体的な交渉の段階まで考えていらっしゃる様子でした。ミライ会議も好意的に感じられました。公明党は、面会自体は朗らかな空気感。趣旨は理解できるが、今回はご期待に添えないかも知れないという返答でした」

   陳情を受けた議員の間からは、広範にわたる都条例全てを把握することは難しいなどと前置きしたうえで、陳情を受けるまで不健全図書類を指定する制度やその実態について知らなかったといった声が多く上がった。

    取材に対し、「『不健全な図書類』の呼称に関する陳情」を発起した栗下前都議は、陳情を通して不健全図書指定の実態について広く知ってもらいたいと述べる。制度自体に注目を集め、内容についても再検討してほしいという。また他の都道府県でも不健全図書やそれに類する有害図書を指定する条例があるとして、この動きが全国的に広まってほしいと願った。

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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