「発禁処分を受けたと誤解される」 知られざる「不健全図書類」の実態...マンガ家ら改称熱望

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「マンガ家だけが不利益を被る制度である」

   大手コンビニチェーン各社では19年、相次いで成人誌の取り扱い停止を発表した。こうした状況を踏まえて、森川さんは次のような疑問を呈する。

「都としてはこの制度をどのように運用したいのか分かりません。おそらく子供たちに健全な本を読んでもらい、害のありそうな本を避けたいという思いからだと思いますが、実際にこれまで指定したマンガを子供たちが手に取っていたのでしょうか。子供たちにどのような影響を与えたのでしょうか。それは害だったのでしょうか」

   不健全図書類に指定される対象は書籍、雑誌、文書、図画、写真、ビデオテープなど多岐にわたるが、実際にはマンガへの指定に集中している。少なくとも過去5年度分の一覧を見ると、マンガ以外が指定された例はなく、森川さんは「マンガ家だけが不利益を被る制度である」と訴える。

   近年は女性向けに描かれたボーイズラブ(BL)作品が、「著しく性的感情を刺激し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある」として、指定される傾向が続く。BL作品を多く手掛ける星崎さんは、偏りがあると感じている。

「女性が性的な漫画を読むことを是としていないように思います。女性に性表現を提供することも認めてほしいです」

   森川さんも「女性向け漫画のジャンルは多岐にわたり、関心も広がっています。そういったマンガを読んでいる人々に対する理解も必要なのではないか」と頷いた。

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