2023年1月29日に行われた大阪国際女子マラソンでのシーンが物議を醸している。ランナーの走りに合わせて沿道で並走したり、自転車で追いかけたりする観衆が中継に映り込み、ネット上では疑問の声が聞かれた。
プロランナーからはその危険性を指摘する声があがっている。大会事務局の見解は。
通行規制は車道のみ
大阪国際女子マラソンは1982年から毎年1月に大阪市内で開催されている。42回目の今大会は陸上競技場のヤンマーフィールド長居(東住吉区)を起終点に、御堂筋などの道路を走るコースが設定された。大会はエチオピアのヘブン・デッセが優勝。優勝候補とされていた日本の佐藤早也伽(28=積水化学)は序盤で転倒し、18キロ付近で棄権した。
レースの様子は地上波の関西テレビ・フジテレビ系で中継されたが、沿道の歩道で観客がランナーと並走する様子がたびたび映り込んだ。中には、自転車に乗った親子とみられる人たちの姿や、先頭集団にスマホのカメラを向け横向きに並走する人の姿、胸部をさらけ出した服装で走る観客の姿も捉えられた。
こうした観衆の行為に、ネット上では「ほんとうにみっともない」「大の大人がこんな事で目立とうする神経が分からない」「ランナーにも沿道の人にも迷惑」などと疑問の声が聞かれた。並走行為について、プロランナーの川内優輝氏は29日のスポーツニッポンの記事で「人の多い場所での並走は危険なのでやめてほしい」と苦言を呈していた。
今大会のコースで通行規制が敷かれたのは車道のみで、歩道は通常通り通行可能だった。大会公式サイトでは1月24日から「観戦のみなさまへお願い」というページで「安全のため、ランナーと自転車で並走するなどの行為はご遠慮ください」と呼びかけられていた。
テレビ局に「できるだけ映さないように」呼びかけも...
大会事務局の担当者は1月31日、J-CASTニュースの取材に対し、通行規制の敷かれていない歩道での並走を止めることは難しいと話す。
「沿道の警備員や整理員に(注意するよう指示を)徹底していますが、(防ぐのは)なかなか難しい。(並走をやめてくださいと)お声がけすることはできますが、強制的に体を張って止めるようなことは難しいです」
過去の大会でも観客による並走行為はみられ、とりわけ自転車での並走をやめるよう新聞を通じて呼びかけてきたという。今大会の公式サイトでも「ランナーと自転車で並走するなどの行為はご遠慮ください」と、自転車での並走行為を明記して注意している。担当者は「自転車はかなりのスピードを出して走られている。ランナーも結構速いため、それに合わせて走られると、一般の歩行者に対して危険な状態になり、事故が起こる可能性があるので、徹底して(やめるよう)書いています」とする。
一方、自転車以外の並走者については、明らかに危険なケースでは整理員が声をかけることもあるとしつつ、「(走っているだけでは)一般の観客なのか、普段ランニングされている方かわからない」とし、自転車のように明記して注意することは難しいとした。
また、中継カメラに並走者が映ると真似する人が出てくるとし、テレビ局に対しても出来るだけ並走者を映さないよう呼び掛けてきたというものの、完全に映さないようにするのは難しいという。
今大会で並走によるトラブルは発生しなかったというが、今後の安全対策については「警察とも相談して進めていきたい」と話した。
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— 大阪国際女子マラソン (@owm_ktv) January 29, 2023
第42回 #大阪国際女子マラソン
30km速報!!
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ペースメーカーが離脱。
先頭集団は3人!#安藤友香 選手(ワコール)
日本人国内記録へ正念場!
カンテレ・フジテレビ系生中継 pic.twitter.com/Nxaw5JvkK2