スーパーマーケット「Odakyu OX」祖師谷店(東京都世田谷区)が、料理のレシピを掲示したショッピングカートを導入していることに、SNS上で「なにも決めずにスーパー行く時は助かります」などと称賛する声が相次いでいる。
祖師谷店の店長は2023年1月30日、J-CASTニュースの取材に対し、売り上げを求めるというよりも、店舗の雰囲気作りで行っていると導入のねらいを説明した。
「ありそうでなかった素晴らしいアイデア」
小田急商事(神奈川県川崎市)が運営する「Odakyu OX」祖師谷店の入口付近には、「○○(料理名)が作れるカート」と書かれた赤いプラカードとそのレシピが2種類吊り下げられている。その下には、それぞれの料理に必要な食材がカゴに入ったショッピングカートがあった。
店長によれば、冷蔵が必要な食材以外はカゴの中に入っているという。24日から始まった祖師谷店限定の取り組みで、24~28日は「北海道スープカレー」「北海道の郷土料理 石狩鍋」の食材、29~30日時点では「牡蠣のチゲ風鍋」「雪見しゃぶしゃぶ」の食材がカゴにまとめられている。カゴの中の総額は1000~2000円という手頃な価格で設定されている。
祖師谷店の取り組みが話題になった発端は、1月25日のツイッター投稿だ。ラジオ番組を制作している吉田@ラジオマンさん(@yoshida_shuhey)は、上記の様子を映した写真を投稿し、「小田急ストアの入り口に置いてあるカートがおもしろい」と紹介した。
吉田さんは26日、取材に対し「ありそうでなかった素晴らしいアイデアだと思いました。日々の夕飯に悩んでいる方の助けにもなりますし、店舗としても推したい商品を売ることができ、かつ一定の量を販売することも出来る。他のスーパーでも広く浸透すればよいなと思ってます」と感想を述べた。
吉田さんの投稿は、30日までに7000件以上のリツイートや1万4000件以上のいいねを集めるなど話題になり、「忙しい主婦にとっては嬉しいアイデア」「めっちゃ便利」などと称賛する声が寄せられている。
なぜ祖師谷店はこのような取り組みを行ったのか。店長は、毎日でぶどり(@debu_dori)というツイッターアカウントが「作ってほしい理想のスーパー」という投稿内で紹介していたアイデアを見かけ、24日から実際に始めたと経緯を説明した。
「何かやっているなという雰囲気作りになればいい」
「北海道スープカレー」「北海道の郷土料理 石狩鍋」を扱っていた24~28日の間、実際に売れたのは2、3台程度だと話す店長は、取り組む時から売れるとは思っていなかったとしつつ、「何かやっているなという雰囲気作りになればいい」と考えていたと述べた。
ただ、改善点も挙げた。現状では、店舗の外の入り口付近に積まれたカゴを持った利用客が、店内のレシピカードとショッピングカートを見つける流れになっている。これらを利用客が何も持っていない手ぶらの状態で見つけられるようにしたいとしつつも、スペースの問題などもあり、苦慮しているという。
今回大きな反響を呼んでいることに対して、店長は「割と好意的な意見が流れていましたけども、実際に買うとなるとまた違うのかな」と答えている。他のOdakyu OXの店舗でも今後行われるかは未定だとし、祖師谷店では2月中旬までは行う予定だとしている。